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東北大学が第4回輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞)を受賞!

11月6日に標記の授賞式が日本科学未来館にて開催されました。大学としての賞なので、本来であれば総長が出向くところ、海外出張により代理で出席してきました。

受賞理由

 東北大学は、「サイエンス・エンジェル制度」(現サイエンス・アンバサダー制度)により女子中高生の理系進学の促進をするほか、全学としても女性教職員の積極採用や上位職登用、女性研究者の育成支援、無意識のバイアス払拭の啓発など、早い段階からの継続した取り組みにより、女性教員比率や博士課程の女性比率の向上などの成果を上げている。
 また、女性研究者の活躍推進に向けた国内外の大学との連携、各種データを公開・発信するなど、総じて他機関のモデルになり得る。

輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞)HPより

この賞の選考には国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が関わっており、基金の運用は公益社団法人科学技術国際交流センター(芦田基金運営団体)が担っています。多くの方々のご尽力で支えられています。

大学のHPでもお知らせ掲載いただきましたが、下記の東北大学男女共同参画推進センターHPに詳しくご報告いただいています。

1913年に日本で最初の女子学生を受け入れた本学として、2001年に辻村みよ子先生が東北大学に男女共同参画委員会を立ち上げられてからの活動をお認めいただけたことは何より光栄に思います。本学としては4回めのチャレンジでの受賞となったので、担当副学長としてほっとした、というのが正直な気持ちです。

受賞スピーチでも用いたプレゼン資料より

さて、今回、個人で受賞されたジュンアシダ賞の戸田安香さんは、味覚受容体の研究で素晴らしい成果を挙げておられますが、5年前まで企業の研究者であったという経歴の持ち主。でも、自分で共同研究者を見つけて、Science論文を筆頭で出すというバイタリティ。2児の母で、さらに1月に3人目をご出産予定とのこと。

JST理事長賞の杉原加織さんはナノ材料の開発を研究されており、海外で博士課程からジュニアPIまで12年過ごされる間に2人のお子さんを育ててきた方です。

どちらも若い世代のロールモデルとして素晴らしいですね!

選考委員長の鳥居啓子先生曰く「Hidden Gem(隠れた宝)」を見える化するのが「ジュン アシダ賞」とのことですが、選考委員会もまた高い見識が素晴らしい。ちなみに、JSTには今年度から「ダイバーシティ推進監」というポストができて、東京大学生産研究所の大島まり先生が「初仕事がジュンアシダ賞出席でした♫」とおっしゃっておられました。大島先生は下に示すように『理系女性の人生設計ガイド』の共著者でもあります。

最後、パネルディスカッションには現役女子高校生2名も参加しましたが、どちらもスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に所属。それぞれ「足元が濡れない傘」の工夫や、雑草から有用物質を抽出するなど、面白い研究をしているようです。

日本では、OECD平均よりも理系のリテラシーが高いにも関わらず、女子生徒が理系を目指さないことは、人材活用ができておらず、とても残念なことです。

左のグラフのように日本の中学2年女子生徒における数学や科学のリテラシーはOECD平均より高いにも関わらず、右のグラフのように、工学や自然科学に進学する女性はOECD平均の半分程度というジェンダーギャップがある。

また、「leaky pipeline」と呼ばれるように、上位職になるに従って女性が抜けていってしまうことも、いっそうの環境整備が必要であることを意味していると思います。そのあたりのことを含めて、過日、中日新聞の取材を受け、同紙と東京新聞に掲載となりました。

次世代の理系女性を増やすために、以下のような活動にも関わっています。

今年の女子高校生理系進学支援奨学金の応募は12/18締め切りです。

JSTは他に「羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)という女性研究者のための賞も募集しています。対象は2023年4月1日時点で博士学位取得後5年程度まで※の女性研究者(ポスドクを含む)、大学院生(博士後期課程)、およびこれらに相当する者(ライフイベントなどによる研究活動休止期間を勘案する)。今年の分は12/12が締め切りです♫

【参考図書】


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