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【気づき】Vol.0841(2010年11月10日発行のブログより)

木田元・渡部昇一著『人生力が運を呼ぶ』。

二人とも日本においては、
知の巨人としてあまりに有名な大学の名誉教授だ。

1928年生まれの木田元先生は、
海軍兵学校卒業で大学は僕の大先輩ということを、最近初めて知った。

言うまでもなく、戦時中の海軍兵学校というのは、
文字どおり文武両道を絵に描いたようなエリートで、
全国民の憧れの的だった。

明晰な頭脳と強靭な体力を兼ねていなければならず、当然女性にはモテた。

その後しばらく、帝国大学系列で体育会系が滅法厳しかったのは、
その名残だと言われている。

今の世の中とは対極だな(笑)きっと、

「な〜に、難しいこと言ってんの?」

「やっベーよ、くさ〜い」

「ちょっとウザいかも」

と言われてしまうのがオチだろう。

木田先生は20世紀最高の哲学書とされてきた、
ハイデガーの『存在と時間』の研究家として第一人者だ。

ご存知の通り、天才ハイデガーの『存在と時間』は当初構想していた、
わずか3分の1しか書かかれていない、未完の書である。

ハイデガーの天才ぶりはまた改めて綴りたいと思う。

いっぽうの渡部昇⼀先生は、
サラリーマン時代に講演でお招きしたことがあって、
実際にお会いしたこともある。

7年前だ。

古希を過ぎているとは思えないような、熱意あふれる講演だった。

講演中はタブーが多すぎて、
まともに編集していたら何の話か分からなくなってしまうため、
そのままカットせずに講演収録したものを販売した。

今から思えば、あれはお買い得だったに違いない。

今回の『人生力が運を呼ぶ』はそんな⼆⼈による、対談形式の本だ。

二人とも猛烈なガリ勉ぶりを披露してくれている。

当時は立身出世と学歴が見事に比例していた。

だから周囲も猛烈に勉強した。

成績順に寿命が決められたくらいなのだから、
当たり前といえば当たり前だろう。

そんな中でも、二人のがガリ勉ぶりは突出していた。

勉強に限らないが、何かに猛烈に打ち込んだ人の話が僕は大好きだ。

年齢を重ねれば重ねるほどにカッコよくなる人というのは、
やっぱり勉強を継続した人なのだ。

つくづく思うのは、年齢を重ねれば重ねるほどに、
先天的な遺伝子は薄れていき、
後天的な努力が顕在化するものだということだ。

カッコいい歳の重ね方を教わったような気がする。

追伸.

 10年前の名著で今なお売れ続けている、
『ハイデガー「存在と時間」の構築』をもう⼀度読み返してみよう。

...千田琢哉(2010年11月10日発行の次代創造館ブログより)

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