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【1%ノンフィクション】Vol.0695(2009年12月6日発行のブログより)

眠り姫

⼄は本当によく眠った。

まるで眠るために⽣まれてきたのではないかという⼥性だった。

ここまで眠ってばかりだと気持ちがいいくらいだ。

甲と出逢ったのは深夜の⼤⼿チェーン店のレンタルビデオショップ。

レンタルビデオショップといっても最近は書籍も結構たくさん売っている。

そこで⽴ち読みしていたのが⼄だった。

モデル体型の容姿とは不釣り合いの難しい専⾨書を熟読していた。

⼄は理科系の⼤学院まで修了していた。

「研究室の昼夜逆転した⽣活が馴染んじゃって」 というのが⼄の⼝癖だった。

しかし⼄は昼も夜もよく眠った。

不思議なのはそれでいて
料理や旅⾏、趣味もすべて⼈並み以上にこなしていたことだった。

「⼈は深く眠るために起きているのであって、
起きるために眠るわけじゃないのよ」

というのが⽣物学博⼠の⼄の持論だった。

17年ゼミという蝉の話も何⼗回とピロートークで聴かされたものだ。

いつも話の途中で眠ってしまうのだ。

甲が眠り好きになったのは⼄の遺伝⼦が影響しているのかもしれない。

...千田琢哉(2009年12月6日発行の次代創造館ブログより)

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