【気づき】Vol.0991(2011年3月20日発行のブログより)
補欠の先輩。
何だかんだ言って年功序列は未だご健在だ。
急成⻑中のベンチャー企業も、
10年も経てばすっかり見るも無残な年功序列になっており、
役員の中には創業メンバーが胡坐をかいていることも多い。
「最近、あまり聞かなくなったね」
「経営ヤバいらしいよ」
と噂されるようになるのは、ちょうど年功序列が芽生えてきた頃である。
日本にはもともと儒教の教えがベースにあるから、
年功序列はしっかりと浸透している。
年上の人に対しての礼儀がなっていないと、
第三者であっても黙っていられない。
なぜなら、自分がそのように扱われてはとっても困るからだ。
他人のために怒っているのではない。
自分自身のための⾝を守るために怒っているのだ。
こうした人たちのことを、補欠の先輩という。
2000年に入ってから、
IT系ベンチャー企業には20代30代の敏腕経営者が増えた。
大企業に勤める補欠の先輩たちは、
もし、自分たちの会社に20代30代の若手社長がいたとしたら、
自分より格下ではないか、と都合よく考える。
若手社長の業績そのものではなくて、
勝手に自分の会社の基準に置き換えて考えるのだ。
僕が関西の大手鉄道会社の仕事をしていた頃、
幹部社員の⼀⼈が、
「あんなのうちの会社に来たらせいぜい係長クラスだよ」と、
当時マスコミを騒がせていた若手経営者をバッシングしていた。
バッシングしていたことそれ自体は大いに結構なのだが、その中⾝が醜い。
もちろんそうした醜い発想の人たちは、
その後悲惨な人生を辿っていったのはいうまでもない。
いろんなビジネスパーソンたちと仕事をしていると、
いずれ世に出る人たちの共通点としては、
遅くとも35歳までの間に何らかの⽚鱗を見せている。
後から気づかされることも多いんだけど、
たいていは20代でヒットかセカンドヒット、
30代前半でソロホームランを打っている。
補欠の先輩という表現自体は、とっても失礼な言い方かもしれない。
でも、補欠の先輩になるか否かは、今この瞬間ではなくて20代の頃から、否、⽣まれてから今⽇までの蓄積の結果なんだね。
どの⼟俵を選んでいかに努力を積み重ねたのか、の集大成が35歳までにはチラリと垣間見られる。
大学を卒業してちょうど10年経った頃が30代前半だ。
35歳までにチラリとも実力を垣間見せられない人は、
補欠の先輩になる可能性が高い。
嫉妬深く、自分のためだけに年功序列にしがみつく。
口のきき方にもうるさい。
自分のために、ね。
口のきき方は大切だけれども、
「あんたにだけは言われたくない」
と思われてしまうような惨めな人生になるのだ。
補欠の先輩の口癖。
「人生の先輩として言わせてもらうと・・・」
年齢以外何も勝ち目がないから、最後の伝家の宝⼑を抜いてしまうんだね。
でも、頻繁に伝家の宝⼑を抜く人の共通点は、
単なる錆びついたペーパーナイフ程度の効果になってしまうことだ。
一方、学ぶ側の姿勢としては、年上だけからではなく、
年下からも学ぶ姿勢が大切なんだね。
追伸.
いつまでも、説教する側のお年寄り軍団ではなく、
挑戦者として説教される側でいたい。
説教する側と説教される側の立場は、学生時代と逆になる。
説教好きになったら人間おしまいだ。
追伸の追伸.
震災前に締め切りを守れなかった人ほど、
震災後になってからどさくさに紛れて震災のせいにしている。
それはあらゆる意味で汚いね。
この人たちの共通点は、
その組織で揃いも揃って補欠の先輩だということだ。
...千田琢哉(2011年3月20日発行の次代創造館ブログより)
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