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【気づき】Vol.1053(2011年5月21日発行のブログより)

嘆きの天使。

1930年のドイツ映画。

監督はジョセフ・フォン・スタンバーグ。

スタンバーグは、あのチャップリンに才能を認められたほどの人物。

主演女優

「100万ドルの脚」

と伝説化されたほどの美女マレーネ・ディートリッヒとともに
ハリウッド映画の成功の階段を上っていった・・・

ちなみに、
ディートリッヒはあのヒトラーの説得を跳ね退けて渡米している。

『嘆きの天使』(ドイツ語︓Der blaue Engel)

は映画そのものも名作だが、生み出された経緯も興味深い。

真面目なギムナジウム(日本で言えば名門私立中高⼀貫校)の教諭として
社会的地位のある初老の男が、
キャバレー『嘆きの天使』の花形スターに惚れこんでしまい、
人生を棒に振る話だ。

これは決して笑いごとではない。

80年経つ今でも、
⽇本の現代にもピタリと当てはまる古さを感じさせないストーリーだ。

ここに登場する男女は、
男のさがと⼥のさがを見事に演じている。

真面目⼀筋で人生を送ってきた男は、
いとも簡単に恋愛においては百戦錬磨の女に掌で転がされてしまう。

女は金が大好きだし、地位も大好き。

その本音をいつ出すかが勝負どころだ。

親にいわれた通りのレールの上を歩み続け、
人間観察力を磨くのを怠ってきた男性は要注意だ。

実際にこんなこともある。

欧米の大学は⼀般に入学するのは簡単だ。

卒業するのはとてつもなく難しい。

日本の逆だというのは誰もが知っているだろう。

これを利用しない手はないと、気転の利く女性たちは一流大学に、
とりあえず入学⼿続きだけ済ませてしまう。

端から卒業できないことはよくわかっていて、
卒業できそうなうぶなマザコンエリート男をゲットして、
場合によっては妊娠しておきながらアッサリ中退する。

これを非難してはいけない。

机上のお勉強はともかく、人生戦略としては女性の圧勝なのだ。

特に20代の男性にはおススメの映画だ。

ちなみにこの時代のドイツのギムナジウムの教諭は、
今の日本の大学教授なんて比べものにならないくらいに、
尊敬されている職業だったということも知っておくといい。

追伸.

悪い女につかまる男は、
たいてい男の母親が心底ドンマイなことが多い。

その逆も然り。

その意味においては自業自得かな。

 ...千田琢哉(2011年5月21日発行の次代創造館ブログより)

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