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【気づき】Vol.1200(2011年10月15日発行のブログより)

小さな恋のメロディ。

1971年イギリス映画。

肝心なイギリスとアメリカではヒットせずに、日本で大ヒットした。

71年といえばちょうど団塊の世代が20代前半。

大学生や新入社員の頃。

団塊の世代はいうまでもなく競争が最も激しかった時期。

大学入ったり社会に出るまで抑圧されたうっぷんを晴らしたい、
って言う人は多かったんじゃないかな。

まあ今でいう学園もので、舞台はイギリスのパブリック・スクール。

パブリック・スクールというのは、
日本でいうと小学校高学年から中学校1年生や2年生くらいかな。

将来は⼀応名門大学を狙っているご子息が通っている。

ところがそんな教師や親たちの思惑とは裏腹に、
子どもたちの好奇心と反発心はより強くなっていく。

そんな時代背景もあるんだね。

この11歳の少年少女の淡い恋物語には。

もちろんお決まりの女の子のほうが気が強くてませていて、
男の子のほうが気が弱くて幼いのはいうまでもない。

これは何⼗年経ってもそうなんだけど。

お互いに好きで好きでたまらないから、ある日学校をズル休みして、
海岸にデートに行く。

これはすごい。

小学校でズル休みをして2人でデートに行くというのは、
会社をズル休みするより遥かに勇気を求められる。

世界中を敵に回して2人で大脱走するというのは、恋愛の本質だね。

もちろん学校では大問題になっており、校長室に呼び出される。

その時の気の弱い男の子のセリフがいい。

「僕たち結婚します」って言っちゃうんだ。

厳粛なる校長室でしかも校長先生に向かってね。

会社でうっぷんがたまっていた当時のサラリーマンたちは、
こみ上げるものがあったんじゃないかな。

ラストシーンはクラスメイト達も、
全員で学校を抜け出して結婚式を挙げてあげる。

教師たちと子どもたちの大バトルに発展するんだけど、
男の子と女の子は最後トロッコで脱⾛する。

脱⾛っていっても、たかだか11歳の小学生だから何もできないんだけど、そういう能書きは必要ないのがこの映画の魅力。

頭で理解するんじゃなくて、心で感じるんだね。

追伸.

僕がこの映画でこっそり好きなシーン。

男の子役のマーク・レスターが、
校長室で大目玉⾷らってお尻ペンペンして怒られたんだ。

泣きべそかいて校長室から出てきたところ、
知らぬふりして黙って待っていてくれている女の子の表情が、
もうすでに大人の女の顔なんだ。

そのまま歩いている間も黙っていてくれるシーン。

男ゴコロの真髄がわかっている、
この女の子役のトレーシー・ハイドに僕は惚れたね。

...千田琢哉(2011年10月15日発行の次代創造館ブログより)

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