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【気づき】Vol.1068(2011年6月5日発行のブログより)

ラッシュライフ。

原作は伊坂幸太郎さんの小説『ラッシュライフ』だ。

映画は2009年6⽉公開で東京藝大との共同作。

頭の中が混乱するほど複雑な⼈間関係を
最後に見事に繋げるという伊坂ワールドだ。

ただし、この作品は余りに複雑すぎて原作を超えてはいなかった。

というより、映像ですべてを表現するのは不可能でさえある。

他作品に関して小説は⼩説、
映画は映画で大いに楽しみ味わうことができたのだけど、
この作品は難しかったようだ。

僕の場合は原作の小説を先に読んでいたからわかったんだけど、
いきなり映画から観た人は説明が省かれ過ぎて、
理解できない部分もあるに違いない。

まあ、それはそれで映画ならではの楽しみなのかな。

ちょっと訳あり癖ありの4人の人生を舞台にして、
さらにそこに各数人ずつの人間がかかわってくるからやむを得ないか。

まさにマウリッツ・エッシャーの『階段の家』の挿絵の如く騙し絵のようなストーリーなのだ。

そもそもタイトルのラッシュライフの “ラッシュ”からいって、
4通りの意味がある。

lash・・・鞭打つこと
lush・・・飲んだくれ
rash・・・吹き出物  
rush・・・突撃なんか暗い受験勉強みたいで嫌だよね(笑)

特に原作においては、タイトルから細部に⾄るまでのこだわりに感服。

人生すべてに偶然などない。

人生は因果関係のリレーであり、すべての結果には原因があって、
まるで空から⽷で繋がっていて操られているかのようだ。

脈々と受け継がれていく輪廻転⽣りんねてんせいの考え方だね。

あなたに起こった不幸は、
過去にあなたが誰かを不幸にしたことがあるから。

あなたに起こった幸運は、
過去にあなたが誰かを幸せにしたことがあるから。

だから、人生すべてにおいて帳尻がピタッと合うようになっている。

もちろん、詐欺に遭うような⼈は無意識に誰かを陥れている⼈。

この無意識にってところがミソだね。

無意識にやらかしていることっていうのは、
意識的にやっていることよりも罪が重いから。

だって、

「わざとじゃありません」

て言い訳できるから反省しないんだよ。

この映画では、人生の因果関係のからくりに気づかせてくれた。

偶然に意味を持たせていくことも、人生の醍醐味だ。

小説は自信を持っておススメです。

追伸.

人生すべてがラッシュライフ。

自分だけのラッシュライフのストーリーを創るために、人は生まれてきた。

追伸の追伸.

映画の中では嫌な役なんだけど、寺島しのぶさんは好きな女優です。

媚びなさそうで男前ですね。

 ...千田琢哉(2011年6月5日発行の次代創造館ブログより)

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