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【気づき】Vol.1250(2011年12月4日発行のブログより)

シーサイドモーテル。

ホテル映画としてはこの作品の前に2006年公開の三谷幸喜監督

『THE有頂天ホテル』

が僕の大好きな映画としてあった。

ホテルを舞台にした人間模様を描かれた映画はとても面白い。

まるで回転ベットのように同時平行でそれぞれの人生を物語る。

この

『シーサイドモーテル』

もバラバラの人生がパズルのように組み合わさっていくのが快感だ。

⿇生久美⼦、成海璃⼦、古⽥新太、温水洋⼀・・・

といった登場人物でもう面白そうな映画だというのがわかるよね。

ホテルを舞台としたものは、人間の欲望が必ず渦巻いている。

人間の欲望というのはタブーとされている。

タブーとは、性と金と死だ。

ついでに孤独だ。

セックスと金と死と孤独を見事に描いた作品は面白い。

あとこの映画は名前がいい。

シーサイドモーテルといっても、
山中の超オンボロホテルなんだけどオーナーの思いが込められている。

こんなホテルで⼀夜を過ごす人たちだからこそ、訳アリな人が多いわけだ。

だから眠れなくって自分の人生について考え直すよね。

そんなときすべての部屋の壁に飾ってある絵が目に入るんだ。

まさに海辺で寄り添い合うカップルの絵。

いろんな⽭盾だらけの人生の中で、この絵が妙に落ち着くんだ。

宿泊する人たちは欺瞞だらけなんだけど、この絵だけはリアリティがある。

嘘だらけの人生を歩んでいると、ふとリアルが恋しくなる。

シーサイドモーテルは、物理的には海から最も遠いホテルなんだけど、
心理的には海から最も近いホテルなんだ。

もっとも遠くにいる人が最も近づけるってことなんだ。

だから夢から遠くても大丈夫だ。

遠ければ遠いほどに近づけるのだから。

追伸.

次はまた君の近くに行きます。

追伸の追伸.

今度ホテルに行ったら、必ず絵をきちんと鑑賞しておこう。

オーナーの思いがそこには込められているのだから。

 ...千田琢哉(2011年12月4日発行の次代創造館ブログより)

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