【気づき】Vol.1238(2011年11月22日発行のブログより)
ナイト&デイ。
2010年公開のアメリカのアクション&コメディ映画。
トム・クルーズとキャメロン・ディアスの共演なんだけど、
スピード感ともたもた感がマッチされていてそれがまたいい。
いきなり冒頭から飛行機の操縦⼠と副操縦⼠の2人とも殺してしまう。
つべこべ言い訳しない。
映画製作費を100億円以上かけるとこんなスケールのができるんだね。
標準的な2時間弱の映画なんだけど、
途中でまったく休ませることなくエキサイティングな時間を過ごせる。
その理由が、名うての殺し屋トム・クルーズの戦っている最中のセリフが
たまらないこと。
ハンサムという言葉はトム・クルーズのためにあるんだね。
そして、超セクシーなんだけど
⽥舎者のキャメロン・ディアスの鈍臭さもたまらないこと。
この⼆つが絶妙にマッチして映画を面白くしている。
トム・クルーズの出演する映画は元気が出る。
どんな結果になっても元気が出る。
元気が出るのはスーパースターの共通点だ。
どんな仕事でも人を元気にしなければ、仕事したことにならない。
お医者さんだけが人を元気にするわけじゃない。
花屋さんもラーメン屋さんも美容師も歌手も画家も作家もすべての職業は、人を元気にするためにある。
もしたった一人でも元気にさせることができない仕事であれば、
その仕事は間違っているということなんだね。
この映画で僕が好きなのは、
これは『ターミネーター』でもそうなんだけど、
「とにかく信じろ」
って男が女を⼀瞬で説得しちゃうシーン。
決断する女も偉い。
もう生きるか死ぬかっていうような究極の選択をする場合、
人は論理的に考えるんじゃないんだね。
「何となくこの人好き」
と思えるか否か、たったそれだけなんだ。
論理ではなく好き嫌いで決まる。
「え〜、根拠は何ですか?」
って女がぐだぐだ言ったらもうそれで映画は終わってしまう。
「納得できません」
と悠長なことを言っていたらズドンと殺される。
それが人生を楽しむルールだ。
キャメロン・ディアスやアンジェリーナ・ジョリーやジュリア・ロバーツが、
「それをやる理由は何ですか?」
「メリットは何ですか?」
「もし失敗したら誰が責任とってくれるんですか?」
ってうだうだ⾷い下がるさげまん姿は想像したくないよね。
人生はすべて物語。
人は誰でも1冊の小説の主人公になるために生まれてきたんだね。
根拠なんて後からでっち上げればいいのだから。
追伸.
大学1年生の英語のテキストだったと思う。
トム・クルーズの生い立ちを教材にした授業があった。
授業はせっかく夢中になるほど面白かったのに、テストは容赦なく超難問。
1枚の藁半紙に裏表びっしり笑えるほど細かな英文が並べられており、
問題はたった1問。
たっぷり2000文字くらい書けるようような、
A3サイズの紙に要約を書かせるもの。
一瞬めまいがした(笑)
あえなく断念した僕は問題文をまったく読まず、
名前とキャッチコピーをマッキーの油性マジック(太)で書いて、
1分で教室を飛び出した。
どよめきが起こった。
雨垂れ石を穿つ
ちょうどついさっきまで読んでいた本に偶然載っていた言葉だった。
おいしいカレーの作り方は知らないから書けなかった。
評価の厳しいことで有名な鬼講師だったから
来年は真面目にやろうと誓った。
驚いたことになぜか成績にはAがついていた。
おいしいカレーの作り方もおいしいシチューの作り方も、
みんな単位を落としていた。
おいしいお味噌汁をイラスト入りで書いた女の子でさえダメだった。
採点ミスなのか先生の懐が深かったのか、今でもあれは不思議だ。
卒業後数年間は、
「あれは採点ミスだったから卒業取り消し」
と電話がかかってくるのではないかとワクワクしていた。
否、きっとトム・クルーズのおかげに違いない。
...千田琢哉(2011年11月22日発行の次代創造館ブログより)
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