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【千田琢哉の頭脳】Vol.0259(2009年10月20日発行のブログより)

凄く初歩的な恥ずかしい問題を抱えています。私は学生時代から遅刻の常習犯で、必ず時間に数分遅れます。千田さんの本では「1分遅刻は1時間遅刻よりも罪が重い」というフレーズが一番響きました。まったくその通りです。自分としてはどんなに意識しても必ずと言っていいほど時間ギリギリに行動してしまい、今まで非常にたくさんのチャンスを失ってきました。ホテルのチェックアウト時間にもたついてふられてしまったこともあるくらいです。こんなダメな私ですが、改善策はあるのでしょうか。

(栃木県・会社事務員・Kさん・女性・32歳)

実は私も10代の頃は遅刻の常習犯でした。

正直告白すると大学を卒業するまではよく遅刻をしていたものです。

だから目覚まし時計を早目にセットするとか、
約束の15分前には待ち合わせ場所に到着するように行く、
というのもまったく効き目がないこともよくわかっているつもりです。

遅刻の常習犯というのは
「うっかり」とか「ついつい」といった問題ではなくて、
一種の病気であることを深く認識することがまず第一歩だと思います。

だから真剣に向き合わなければKさんのこれからの人生において
非常に大きな手かせ足かせとなっていくでしょう。

そして時間厳守というのは
一度身につければ当たり前のことになるわけですが、
身につけるまでは非常に難しいものです。

Kさんの質問の中で一つ決定的な誤りがあります。

Kさんがチャンスを失ってきたのではありません。

Kさんが相手のチャンスを奪ってきたのです。

Kさんが相手の時間を泥棒してきたことに
気づかなければこれから一歩も進めません。

ここが、大切なところです。

人は待ってもらう体験だけではなくて、
待つ経験もしなければなりません。

私が遅刻の常習犯から脱出できたのは
自分が待つ経験をしたからです。

相手が遅刻してきたことによって
途轍もないチャンスを奪われたと感じました。

私は相手を憎みました。

相手のせいで人生を台無しにされたと感じたからです。

ところがその日の晩にそれは今まで私が出逢った人たちに対して
やってきたことと同じことだという当たり前のことに気づかされました。

今まで私がやってきたことはこれと同じことだったという
待つ側の気持ちがわかったのです。

だからこれからは待つ側になっても待たせる側になってはいけない、
と強く感じたものです。

Kさんは一度待つ側の経験をしてみることです。

そして取り返しのつかないチャンスを奪っていただくことです。

もちろん、その相手に感謝しなければなりません。

待たせられる経験をしてはじめてその辛さがわかります。

いつも待つ側の人は逆に待たせる側の経験をして
辛い経験をしたことがあるということです。

今までこんなことを口にしたら笑われるのが20世紀でしたが、
21世紀には遅刻は犯罪になります。

Time is money ではありません。

お金の泥棒よりも時間の泥棒のほうが遥かに罪が重いからです。

遅刻は喫煙同様にKさんと関わる人たちの人生の時間を盗んでいるのです。

まさに、遅刻はスローモーションの殺人です。

今まで何人の人たちの時間を盗んで
スローモーションの殺人をしてきたのか、思い出してみましょう。

私は遅ればせながら21歳でこれを経験から学びました。

...千田琢哉(2009年10月20日発行の次代創造館ブログより)

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