同じ夢を繰り返し見るとき
怖い夢を見た。
目が覚めると、夢だったことの安心感より、じわじわと迫る恐怖の気配を感じる…
なんか、やだなぁ。
ふぅ…と、ひと息。
ゾンビ系とかのホラー的な怖さではなく、私の抱く不安がすべて体現されている怖さ。
現実に限りなく近いような、不思議な感触が残る夢だった。
…
謎の男4人組が親しげに近づいてきて、閉鎖的で薄暗い建物に私を招き入れた。
階段を登って最上階にある部屋まで辿り着くと、背後で突然ガソリンをまき、火をつけた。
火は、私の背中に燃え移った。
とっさに消化器を掴んで背中に向けて噴射。火は消えた。
すぐに部屋を飛び出し、階段を駆け降りた。
なぜか、男たちは追いかけてこなかった。
消化器の粉と灰でボロボロな姿のまま、近くの交番に駆け込んだり、家族に電話したりして助けを求めた。
「男たちに火をつけられた」と涙ながら必死に訴えた。
でも、周囲は軽く心配する程度で、事の深刻さが伝わっていないようだった。
交番の警察は私を無視して他の仕事に取り掛かり、家族との電話は繋がらなかった。
…
と、こんな感じの夢。
細かい描写は省いたし、まだ続きもあるけど…中々に残酷な夢だよね。
実は、閉鎖的な建物で謎の男4人組に攻撃される夢は、これまでに何度か見たことがある。
攻撃の仕方は違うけど、いつも同じ情景。
デジャブ。
気になって調べたら、同じ夢を繰り返し見るのには、理由があるんだとか。
ほう…そうなんだ。
確かに、私の夢だ。
ネガティブな内容ばかりなんて酷い。幸せな夢を繰り返し見ることはないのか…
あれ、そういえば、幸せな夢を見た記憶ってあんまりないな。
不思議。
失敗した結果…つまり、トラウマとしてずっと心の中に残るってことかな。
だとしたら、思い当たる体験はある。
思い返すと、確かに当時の無力感や孤独感、あたりまえの日常が突然奪われる残酷さみたいなものがちゃんと組み込まれた夢だった…
すごい。
無意識なのに。
夢もひとつの大事なSOSなんだろうな。
じゃあ、そのSOSにどう応えてあげればいいんだろう。
なるほど、結末を変えちゃえばいいのか…!
私が見たのはあくまで夢であって、現実じゃない。
実際は、私がつらい時、たくさんの人が手を差し伸べてくれた。
私を想って心配してくれた。
それが現実なんだ。
恐怖が日常を侵食する感覚…それは確かに今でも続いて、完全には立ち直れていない。
でも、私は幸せ。
つらい時に支えてくれる素敵な人たちに囲まれて、少しずつ前進しているから。
ストレスを感じた出来事の処理に失敗しちゃってるわけだから、あの夢はまた見るんだろうけど。
でも、今度からは結末を変えよう。
むしろ夢が間違ってるんだから、きちんと正そう。
きっと、その意識が何よりも大切なんだ。
なんとなくネガティブに飲み込まれるなんて、もったいない。
きちんと自分の足で立っているんだから。
大丈夫。
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