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私だけの「 」と、君だけの「 」に。 【読了】 恋に至る病


Story


転校初日、僕は自己紹介に大失敗した。そんな僕を救ってくれたのは、夜河景(よるがけい)。彼女は全員に公平に優しく、クラスの皆に愛されていた。対して僕は自己紹介すらも失敗するような人間だ。そんな僕と彼女は ただのクラスメイトのはずだった、あの時までは。そうして僕は 彼女のヒーロー になった。
僕と彼女は、あまりに釣り合わない。だから数年後 彼女が「私と付き合ってくれる?」と言った時、僕は無理なのだと言うことしか出来なかった。「何処を好きになってくれたのか分からないけど」と。それでも彼女は 「証拠を見せるよ」と言う。僕らは 休日に待ち合わせをした。楽しみだという気持ちが抑えきれない。見晴らしの良い高台で、彼女は「一番大切なものをあげる」と言った。そして見た光景に僕は唖然とする。

日本中を巻き込む自殺教唆ゲーム”青い蝶(ブルーモルフォ)” 主催者は彼女だった。「私が間違ってるなら今ここで止めて」と彼女が言うが、僕は彼女を否定出来ない。僕たちは付き合うことになり、ゲームは続き、150人以上の死者を出すことになる。彼女のゲームを僕は見守る。

「だって僕は彼女のヒーローだから」

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考えたこと。

善か、悪か。最近そんなことをよく考えています。
私にとっての善が、誰かにとっての悪かもしれない。そう考えて怖くなった時、悪を投げつけた私を耐えてくれた人のことを思い出しました。どれだけ痛かっただろうかと悔やみ続けていること。それでも手を伸ばせば掴めるところに居続けてくれたこと、否定を否定して、私を肯定してくれたこと。

それが善いことなのか私には分からないけれど、私にとっての「ヒーロー」だったのだと、ずっとそうなのだと思いました。

そうして支えられながら、階段を登った私が出来る次のステップを考え、もし、悪を善として受け取ることが出来るのなら、受け取ることではなくても流すことが出来るのなら、私が「ヒーロー」になることもあるのだろうかと考え、それは高望みかもしれないけれどと投げたくなり、

それでも生きているのだから、一人だけでもせめて、ヒーローになれる私を描いていようと諦めないでいようと思いました。

優しいせかい、手の届く範囲、強さと弱さ、それを自問するような日々が続いています。踏みとどまっていようね。
Sena.





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