見出し画像

ちょっぴり寂しかった夜

今日も子どもたちの家に行ってきた。

2ヶ月前まで自分が住んでいた場所だけど、いまは自分のものではなくなってしまった家。

玄関の横に自転車を止めて、ピンポンを鳴らす。

家の鍵は離婚したときに元夫に返したので、毎回ピンポンを鳴らしてドアを開けてもらっている。

今日は息子がドアを開けてくれた。

「こんばんはー」
「お邪魔しまーす」
と言って上がらせてもらう。

2階のリビングに入ると、元夫はいなかった。

ちょっとホッとする。

キッチンでは、娘が夕食用のハンバーグを作っていた。

「へえ、今日はハンバーグ?」
と聞くと、
「そう」
と答えながら、忙しそうにひき肉を混ぜる娘。

一緒に暮らしていた頃は、ほとんどお料理をしなかった娘が、がんばってハンバーグを作っている。

なんだか頼もしいなと思ったし、嬉しかった。

と同時に、ちょっと寂しかった…

子どもたちはハンバーグが大好きで、私がハンバーグを作った日は喜んで食べてくれていた。

でも、目の前でハンバーグを作る娘を見ていたら、もう私が作らなくても大丈夫なんだって思った。

もちろん、料理をしている娘の成長は嬉しいのだけど、なんだか複雑な気持ち。

用事を済ませると、
「じゃあね」
と言って帰ってきた。

娘の作ったハンバーグを元夫と娘と息子が同じテーブルで食べるんだろうな。

私は一緒に食べられなくて寂しいね。

一緒に食べられたら、こんな風に寂しい気持ちにはならなかったのにね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?