未練がましい男というジャンル~勝手にしやがれ(歌・沢田研二)~
ジュリー(沢田研二)が好き
と幼い頃言ったら、親に微妙な反応をされた記憶がある。親の反応から「あまり大きな声で子どもが言うものじゃないことなのかも」と思った私はそれ以来あまり口にする事はなかった。
最近沢田研二の歌を聞いているのだが、確かにこの魅力はR15指定したくなる。今なら微妙だった親の反応もわかる。
未練がましい男というジャンル
私はやや高めの声で未練がましさを歌い上げる男性ボーカルが好きだ。但し、実際に未練がましい男は嫌いだ。嫌いというかもはや眼中にもなくなっているから知ったこっちゃない存在となっているのだが。
例えばシャ乱Qの「シングルベッド」。
別れて1年たった今でも辛いということを
シングルベッドで夢とお前抱いてた頃
と歌い上げる。別れて1年たった時にそんな思い出の噛み締め方をされたら鳥肌がたつが、この歌を歌い上げるつんくはたまらなくセクシーでかっこよくて身悶えする。樹木希林が「ジュリ~~」と身悶えするように。
そう、私の中の未練がましい男のジャンル開拓者はジュリーなのだ。
勝手にしやがれ
中でも有名なこちらの曲。
歌詞の内容は、女性が男性に見切りをつけて出て行くというもの。それを寝たふりをしてやりすごし、女性が出て行ったあとにバーボンを抱えて窓から見下ろし派手なレコードをかけて朝までふざけて誤魔化すいうものだ。
こうしてまとめるとヘタレですね。
タイトルからもうひどい。ふられたくせに「勝手にしやがれ」とは。当時Twitterがあったら「#とは」ってつけて投稿しますよ。
未練がましいポイント
全部が全部未練がましさで成り立つこの歌。私は特にこの部分につっこみたい。
悪いことばかりじゃないと 思い出かき集め
鞄に詰め込む 気配がしてた
寝たふりをした男性が、出て行く女性の気配を歌うこの場面。
いや、そんな気配感じないで。
間違いなくそんな思い出詰めてませんから。なに勝手に話作ってんのよ。もうね、出て行くときに詰め込むのは金目のものしかないですよ。本当は別れる男の家にあった物なんて丸ごと捨てたいところだけど、そうはいかないしね。現実的でシビアな目で選別しながら詰めてますよ。
さらに、
別にふざけて困らせたいわけじゃない
愛というのに照れてただけだよ
と反省している振りをしていながらも
夜というのに派手なレコードかけて
朝までふざけよう ワンマンショーで
と両手を高くあげてアーアーアーアーと踊るのだ。
……反省してないでしょ。
そういうところですよ、そういうところ……
あああ!もう!!好き!
前の女とはうまく行かなかったかもしれないけどぉ!私なら!私ならぁ!うまくやってみせるわぁあああ!
この未練がましい素振りといいわけがましさを散々みせつけられているのに、なぜこう叫びたくなるのかわからない。そしてこの傾向は非常に危険!ミュンミュンミュンミュンとダメ男キャッチ警報が頭の中で鳴り響く。私ももし娘が「ジュリーってかっこいいね」と言ったらやんわりと直接的に
「嵐の櫻井翔君ってすてきだと思う」
と、他の男性を勧めてしまう!そのくらい危険!絶対ダメ男を渡り歩く未来しか見えない!
この、無駄に格好をつけるのは何の為なのか。自分を誤魔化したいだけなのか。いや、違う。これはおそらく新しい出会いに向けのポーズ。誰の目を意識してるの?それはきっと……
そ う! 私 に 見 せ た い の ね ! !
来年またなにかやれたらいいな