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インクルーシブかつ個別化・個性化。

全校拡充モデル(SEM)はインクルーシブ教育ですが

"みんなちがって、みんないい"

と言われているように、皆それぞれ違うからこそ一緒に同じことを同じスタイルで学ぶのは難しいんじゃないか、と私は感じていました。

一体どうやって可能にするんだろう? と。

私自身、アルバイトやボランティアの一環として、18歳のときから様々なグループに様々なシチュエーションで英語をレッスンしてきました。が、1グループ5~6人までという少人数であっても、その5~6人に英語を効果的に学ばせるのは本当に難しい、と何度思ったかしれません。

単純に英語学習だけでも、生徒さんのヤル気、その日の体調、その日の気分、知識を吸収しやすい学び方(learning style)、好きな学び方(learning preferences)、拒絶反応を示す学び方などなど十人十色で、すべての生徒さんの英語力を同じペースで上げるのは不可能!と(開業していたときは毎日)思い悩んでいました。

又、当然ながら、すべてのお子さんが英語学習に強烈な情熱を持って自主的に学びに通ってきていたわけもなく、英語を学ぶセンスがじつは人一倍あっても、本人が学びたいと思わない限りはこちらがどう手を尽くしてもどうにもならないこともありました。

その子達のヤル気に火をつけられない自分の力不足に「自分は教えるのに向いてない」と落ち込むことも多々ありました。

当時、英語学習の楽しさをすべての生徒さんに効果的に伝えるためにいろいろ試みましたが、そのうちの一つで無自覚に行なっていたのがdifferentiation(個別化・個性化)でした。

すべての生徒さんの性格、傾向、特徴、嗜好、学び方、得手不得手、英語レベル、英語を現段階で楽しんでいるか、集中具合、などなど、個別に細かく観察したり、訊いてみたり、保護者の方々にも尋ねて、類似点の多い子達でグルーピングしたのでした。

当時は多いときで40人ほどの生徒さんを1人で教えていたため、このグルーピングは、すべての生徒さんを可能な限り平等に、公平に見るためには必須でしたし、結果、教える側もより教えやすく、学ぶ側も効果的に学べるようになって、一石二鳥でありました。

前述したように、私がUConnで主に学んでいるギフテッド教育のSEMは極めてインクルーシブです。

しかし、すべての子を一緒くたにする、という意味でのインクルーシブではなく、すべての子がそれぞれの優れた部分を最大限に伸ばせる教育を受けられる公平な機会を、という意味でインクルーシブであることがわかりました。それを可能にするにはdifferentiation(個別化・個性化)が絶対に必要だとUConnでは繰り返し言われています。

その個別化・個性化を一つの教室内で可能にする、というのが全校拡充モデル(SEM)ですが、同じ教室内ですべての子がそれぞれの最適な学びを公平に受けられるようにするためですから、差別とは違います。ただ、現場の先生方がその教育モデルを理解しきれていなかったら、 表面上のインクルーシブ、いわば大人側の自己満足で終わってしまいかねません。

私もまだまだ学びの最中で、クラスルーム内での個別化・個性化をどのように最適化するのか理解しきれていませんが、SEMベテラン教師いわく「そこまで難しくない」そうです(笑)から、勉強の過程で、自分の復習かつ脳内整理のためにもこちらで少しずつシェアしていけたらと思っています。

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