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【基礎用語解説】ダイボンディング

ダイシングが完了した半導体チップの中から良品のみを選択し、パッケージ用のリードフレーム上の台座(ダイパッド)に載せてから、接着剤で固定する工程です。

この時、各チップはキャリアテープに付着したままなので、バラバラになることなく、搬送することができます。

ダイボンディングの方法にはいくつかありますが、接着剤を使用する方法が一般的です。接着剤を使用する方法には共晶合金結合法樹脂接着法の2種類があります。

樹脂接着法は、エポキシ樹脂ベースのAgペーストを接着剤として用います。接着剤を常温から250℃程度の温度内で加熱して、すり合わせと加圧によってダイパッドと半導体チップを接着します。ダイボンディングフィルムと呼ばれる膜状の接着剤を用いることもあります。この方法が現在、後工程では主流になっています。

共晶合金結合法は、主に金とシリコンの共晶材料を、チップ裏面にコーティングし、酸化防止雰囲気中で、加熱してダイパッドと接合する方法です。

ボンディングの高速性と、低い電気抵抗や高い熱伝導性において樹脂接着法に勝りますが、400℃程度の高温プロセスが必要であり、応力緩和性が劣る、高価であるという短所があります。小面積チップや、高い信頼性を求められるセラミックパッケージや宇宙用途のデバイスに用いられます。

参考文献

共晶ダイボンディング|ヤマハロボティクスホールディングス | YRH Co., Ltd. (yamaha-robotics.com)
J. Jpn. Inst. Electron. Packaging 16(5): 347-351 (2013) (jst.go.jp)

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