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【基礎用語解説】ファブ

半導体製品を量産する工場のことをファブ(fab)と呼びます。ここで量産とは、おおよそ月間1万枚以上の半導体製品を製造する規模です。

ファブの中でも大規模・少品種生産を目的とした大規模ファブをメガファブと呼ぶことがあります。ファブの大規模化は大規模・少品種生産を目的とした結果として今日まで続いていますが、トッププレイヤーしか残れない厳しい世界です。

世界最大のCPUメーカーだったIntelは、2016年に最先端の微細化を14 nmから10 nmに進めることに失敗し、TSMCに生産を委託しました。

したがって2024年現在、残っているのは台湾のTSMCと韓国のSamsungの2社と言い切って問題ないかと思います。今後、後発であるRapidasがこの中に参入して勝ち残ってくれることを期待したいと思います。

一方で、小規模・多品種生産を目的とした小規模ファブのことをミニマルファブといいます。国内では産総研と企業21社が中心となって2012年に設立し、その後に改称したミニマルファブ推進機構が重要な役割を担っています。

このミニマルファブでは、メガファブと比べて大規模な投資を必要としないために、マイナー領域での勝ち筋があるものとして期待をされています。

このように半導体製造は、製造する半導体の種類と数量に応じてメガファブとミニマルファブの中で異なる役割を持っています。

参考文献

半導体の盟主インテルが微細化競争から脱落…台湾TSMCと韓国サムスン、世界2強が激突 | ビジネスジャーナル (biz-journal.jp)
一般社団法人ミニマルファブ推進機構 茨城県つくば市 (minimalfab.com)


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