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三井化学、blueqat社と協業し量子×AI技術を新規用途発見に適用開始~特許検索の高度化でDXを推進~

発表日:2024年6月20日

概要

三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本 修)は、blueqat株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:湊 雄一郎)と共同で、自然言語処理と量子計算の先端技術を組み合わせた新たな取り組みを開始しました。

この取り組みは、三井化学製品の新規用途発見を加速させることを目的としています。両社の協力により、化学分野における革新的な技術応用が期待されています。


取り組みの背景と目的

現代の技術革新において、人工知能(AI)と量子コンピュータの融合は、多くの可能性を秘めています。三井化学は、化学産業における製品開発や新規用途発見の効率を高めるために、blueqat社との協力を決定しました。このプロジェクトの主な目的は、AI技術を駆使して既存のデータを解析し、製品の新たな応用可能性を発見することです。

使用される技術

本プロジェクトでは、Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings(SimCSE)という自然言語処理モデルが活用されています。このモデルは、文章の意味を高精度で捉え、関連情報を効率的に検索・分析するために使用されます。

さらに、テンソルネットワーク技術を用いることで、情報の圧縮と効率的な処理が可能になります。これにより、大量のデータを迅速に解析し、新たな知見を得ることができます。

SimCSEモデルを用いた類似特許検索事例(三井化学HPより引用)

活用例と将来展望

この技術の主な応用例としては、特許データベースの分析が挙げられます。特許データベースには、数多くの技術情報が含まれており、それを適切に解析することで、新たな製品や技術の開発が可能となります。SimCSEモデルを使用することで、特許文書の内容を効率的に理解し、新規用途を探索することができます。

さらに、この圧縮された機械学習モデルは、特許調査や新規用途探索分野への応用が見込まれています。また、量子回路との互換性も備えており、将来的には量子コンピュータ上での実行も期待されています。量子コンピュータの高い計算能力を活用することで、さらに高度な解析が可能となり、新たな技術革新が進むことが期待されます。

IBM社の量子コンピュータ(IBM社のHPより引用)

DX推進への貢献

三井化学は、このプロジェクトを通じて、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。DXは、企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルを革新し、競争力を高める取り組みです。

本プロジェクトでは、自然言語処理と量子技術を組み合わせることで、データの解析効率を飛躍的に向上させ、新たなビジネスチャンスを創出しています。

まとめ

  • 三井化学とblueqat社が新たな取り組みを開始

  • 自然言語処理と量子計算技術を組み合わせたプロジェクト

  • SimCSEモデルを用いた特許データベースの事前学習と情報圧縮

  • 特許調査新規用途探索への応用

  • 量子コンピュータでの実行も視野に入れたDX推進

*1ベクトル表現:自然言語処理において単語や文章の意味を数値のベクトル(多次元の配列)で表現する手法です。

*2 テンソルネットワーク:巨大なテンソル(多次元データ)を分解して効率的に表現する手法です。量子計算分野で量子回路の情報圧縮や量子シミュレーションなどに利用されてきた技術です。

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参考文献


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