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音楽の星へ


訃報の朝


先日の訃報の朝

「死は神様が別の場所に導いてくれる出来事」
         ・・フジコ・ヘミングの言葉

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昨年のリサイタル、歩行器を押して舞台に上がり
身体は一回り小さくなった印象だったものの
演奏する音には生命力があり、
また聴く機会が今年もあると思っていました。
訃報を聞いて、
動揺と会えない悲しみと、心が少しざわつきました。

音楽の星へ旅立ったフジコさんのご冥福を
心からお祈りいたします。

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フジコさんと私の恩師は、レオニード・クロイツァー門下生でした。当時の日本で重力奏法を学んだ貴重なクロイツァーの教え子
です。奏法や音楽への姿勢は、弟子から弟子へと受け継がれ、
今に至る。耳が育ったのも、演奏の違い、音の違いが分かるのも、
この重力奏法を身につけたからと、厳しかった恩師に感謝しています。フジコさんの演奏は、受け継がれたものが音から伝わり、私も恩師とクロイツァー先生と繋がっていると思えて、自分の進んでいる道が間違っていない、大丈夫と私の背中を後押ししてくれているようでした。
パウル・バドゥラ=スコダ先生 イェルク・デームス先生 そしてフジコさん、尊敬する大好きな音楽家と同じ時代に生きられたこと、幸せに思い、また学んだことを大切に後世へ伝えなくてはと思った朝でした。

「技術だけは天国へ持っていける」・・・フジコ・ヘミングの言葉

※4月29日から5月5日まで銀座のギャラリーで
フジコ・ヘミング絵画展が開かれている