記憶巡りの旅4

1番下の子というのは、総じて愛情深く育てられやすい。前に3人もの厄介な男を育てたあとの幼子であれば多少のことなら目も瞑るし、かわいさしか享受しない。そんなこんなで、あまりストレスがかからず生きてきた気がする。ベースの怠け者はここで生成された気がする。なんとかなるよって成功者がいえばその言葉どおりだけど、中途半端なやつから聞くと、勢いだけやんになる。後に歳をとったあとは後者に成り下がる。

兄弟と遊ぶのは楽しかった。
彼らの年代しか知らない遊びが家の中では普通にあった。2段ベッドが2個並んだ寝室でスーパーボールを投げ合ったり、風呂場でもスーパーボールを投げ合ったり、ガチャガチャした遊びできゃっきゃっしてたのは懐かしい記憶。
細かい会話は全然覚えていない。
寝ると忘れるのはこのころからあったのかもしれない。全部忘れるとかじゃなくて、今楽しいと思った感情だけを目に焼き付けていた。
この目に焼き付ける。
寝る前の寝室の明かりを一点に見つめると小さくなったり大きくなったり、これが楽しくて寝るまでずっと見てた。後から知るが、これはアリス症候群という幼児独特のトリップ体験だそうだ。

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