風土改革-人間性を取り戻す

大企業病という慢性病を少しでも良化したいというのが風土改革であり、結局は不自然な人間を自然により近い人間に戻っていくというプロセスなんだ。

すごく簡単に表現すると、一匹の野生動物がいるとして、その動物は人間のような余計な反応をすることがないので、偉大な自然な無意識の働きで行動する。お腹が空いたと感じたら獲物を探して食べて満足してまたお腹が空くと感じるまで木陰で休んでいる。これが命の1サイクルになる。

もしこれが人間だったら、様々な瞬間に余計な反応が起き、思考が働いて不自然な行動になってしまうだろう。漫画本でも読んでいれば、お腹が空いたと感じないかもしれない。過去に体験した苦い記憶からレストランの店員に注文するための声をかけられないかもしれない。食べても満足せずに食べ過ぎてお腹を壊してしまうかもしれない。休めばいいのに時間がもったいないからと体が疲れるまで遊んでしまうかもしれない。

あまりいいたとえではないかもしれないが、こんなことをしてしまう人間は、もし自然界にいたらすぐに絶滅してしまう。命の1サイクルの様々な瞬間に自分の過去の体験から役に立たない反応が起きて思考と行動に影響を及ぼしてしまう。

会議で発言できないというのも同じことで、過去の体験から発言すると痛い目に合うとか、どうせ言ってもムダだとか、いろんな反応が起きて行動を抑制してしまう。本当は伝えたいのに。本当は表現することで自分の存在価値を感じたいのに。どうしてもそれができない葛藤が起きる。やがて抑制していることが習慣になって抑制している自覚さえなくなってくる。酷くなると心と身体をこわしてしまう。

人間性を取り戻すとは、自分らしさを表現できることなのだ。だからまずはお腹が空くということを「感じられる」ことから始める必要がある。とはいえ、いきなりそこをしようとすると、枠にはめられた会社員には意味を理解することがとっても難しいんだ。日頃、感じるよりも思考をフル回転させているから、それが意味があることだとはあまり感じられないんだ。

本当に会社員は人間としては意外に重症者ばかりなんだよな。

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