見出し画像

【SELFの本棚】#043 反集中 / NPO法人ミラツク , 西村勇哉

様々な分野の方へのインタビューからボヤッと見えてくる未来。一見関係ないことに目を向けることを「反集中」というキーワードで表現し、各界の方の「問い」を紹介しています。

異質な視点が知りたかった未来を教えてくれる。

行先の見えない時代で未来を見出すために、一体何に取り組めばいいのだろう。

未来を予測をすること、未来を描くこと、未来をつくること。
その全てにつながる一歩目は、一見関係ないことに目を向ける「反集中」という態度にあった。

建築、投資、宇宙、自然、地域、メディア、組織、教育、デザイン・・・。多様な領域で活躍する起業家、経営者、研究者たちの異なる視点と問いから未来を見出す。

行先の見えない時代を拓く、視点と問いとは。
「時代にとっての問いを問う」
このテーマとともに22名のインタビュー に取り組んだ3年間の軌跡をお届けする一冊

書籍紹介文より


集中という言葉には様々な意味があります。英語で"concentrate"という集中も軸の取り方でパッと思いつくだけでも3つあります。時間軸でとると、ある一時に固まる集中。ラッシュアワーのようなこと。空間軸でとると、ある場所に固まる集中。元旦の明治神宮の混雑を思い浮かべるといい。そして、気持ちの集中。まさにコンセントレーション。ボーっとする反対。

本書の表示デザインにある英訳は"anti focus”。焦点の"focus"。焦点を定めないことの重要性は宮本武蔵の「五輪書」でも、説かれています。

目の付け方は、大きく広く付ける目である。
「観・見」二つの目があり、「観の目」を強く、「見の目」を弱く、遠い所を近いように見、近い所を遠いように見ることが兵法では必要不可欠である。
敵の太刀の位置を知っているが、少しも敵の太刀を見ないことが、兵法では大事である。

宮本武蔵「五輪書」水の巻より


どの解釈を取ってみても、ある課題や考え方にとらわれ過ぎず、周辺も感じながら全体をつかもうとする姿勢が大切ということを「反集中」で表しているように思います。

本書を読んで、各分野で先端を走る方々の考えに触れ、そしてそれにとらわれることなく、「どんな未来がくるといいかな?」と考えてみることが、この本の目指すところなのかもしれません。


「あ、鹿児島っておもしろい」そう感じたら、ぜひサポートをお願いします^^ おもしろい鹿児島を、もっと面白くするための活動費として使わせていただきます。