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【SELFの本棚】#045 GOOD NEIGHBORS JAMBOREE 坂口修一郎著

SELFの監事でもある坂口しゅうさんを中心として12年もの長きに渡り鹿児島の川辺(かわなべ)という地域にある森の中の廃校で行われているフェスティバル・グッドネイバーズジャンボリーについて、しゅうさんだけでなく、デザインや会場設営、ごみの問題、予算や売上など様々な角度からその当事者のみなさんが丁寧に言葉を紡いでいる一冊です。

グッドネイバーズジャンボリーが立ち上がるまでの大きな流れや、しゅうさんの少年時代からの心や地元鹿児島へ対する思いの変化、出会い、キーパーソンとの対談や、チャット履歴など。ジャンボリーに一度でも行ったことのある方はもちろんですが、ジャンボリー自体にはこれまで接点のなかった方も興味深く読める内容です。

副題に「ローカルの未来を照らすコミュニティ・フェスティバルの12年」とありますが、人口減少が進み、目に見える速さで地域が経済的に衰退していく中で、どのように希望を見出し、人と人との新たな関係を紡いでいくのか。読み進めていくうちに、そんな大きな問いへの答えがぼんやりと自分の中に浮かび上がってくるような気がします。

個人的に最も心に残ったコンテンツは、第1回目からステージにたっていらっしゃるしょうぶ学園の「otto & orabu」というパフォーマンスグループについての、施設長の福森伸さんとしゅうさんによる対談。
胸に温かいものが込み上げてくるのを感じながら一気に読みました。

GOOD NEIGHBORS JAMBOREE
Chapter1
みんなでつくる森の文化祭 グッドネイバーズ・ジャンボリーとは

祝祭日の始まり
鹿児島が盛り上がっている?
文化の地産地消
10のキーワードで読み解くGNJとは
 01 I 会場構成
 02 I ツリーハウス
 03 I ステージと音楽
 04 I ワークショップ
 05 I 体験プログラム
 06 I カレッジ
 07 I フード
 08 I ゴミステーション
 09 I ボランティアサポーター
 10 I 前夜祭
コラム1 しょうぶ学園 

Chapter2
グッドネイバーズ・ジャンボリーの作り方
グッドネイバーズ・ジャンボリーの構造
ダウンサイジングというシフトチェンジ
 動員人数/環境負荷
 予算と売上
 ロジスティックス/PR
 通貨/季節
 ステージ/コンテンツ/ワークショップ
 出店/食
T-SHIRTS DESIGN
POSTER/FLYER DESIGN
GOODS DESIGN/WEB DESIGN
コラム2 醤油談義

Chapter3
僕らの移動祝祭日

Interview I 01
楽しく続いていく時、根元には負担なくシェアし合う関係性がある
Interview I 02
地元の当たり前だったこと、
新しいことを知ることでその魅力を再発見するきっかけに
Interview I 03
幸せとは何なのか、考え直すことでみたことが
”興奮できる場”へと導く

[寄稿]
GOOD NEIGHBORS JAMBOREEによせて

GNJ MEMBER INTERVIEW
CONTRIBUTOR COMMENTS

Chapter4
よき隣人たちのこれまでとこれから

リバーバンクという新しい未来への歩み
一般社団法人リバーバンクについて

おわりに
ARCHIVES 2010-2022


鹿児島の森の中にある廃校で、12年間続いている小さなフェスティバル、グッドネイバーズ・ジャンボリー。クロスカルチャーなこの祝祭は、2020年に規模を小さくするシフトチェンジを決断。その後のコロナ禍でも途切れず開催を続ける。なぜ、GNJは持続できるのか。地域住民、来場者、実行委員……皆がゆるやかにつながり、フラットに楽しむ祝祭から見つける“場づくり”のひとつの形。   amazon


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