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【ディープ鹿児島】#23 鶏飯元祖 みなとや

(文:SELF編集部 かつ しんいちろう)

奄美の郷土料理「鶏飯」。割いた鶏肉、錦糸卵、シイタケ、ネギ、パパイヤなどの漬物を刻んだもの、タンカンの皮の陳皮、味付け海苔という7つの具を少な目に盛ったご飯の上に乗せ、澄んだ黄金色に輝く鶏ガラのスープをたっぷりかける料理だ。

薩摩藩の役人をもてなすために考案された料理だと言われている。今のスタイルになったのは、みなとやの初代岩城きねさんが考案したとのこと。(「みなとや」ホームページより)

店の前の石像(材料の鶏は雌を使っているが、この像を見て「あなたのところは雄の鶏を使っているのか?」と聞いてくる人がいるらしい。あくまでイメージなので、よいではないですか。)

私は小さいころから「みなとや」の鶏飯を食べているので、鶏飯の味の基本が「みなとや」になっている。味覚は小さいときに養われる。

島の人に、「どこのが一番おいしい?」と聞くと「鶏飯はウチの母ちゃんのが一番美味しい。」という答えが多い。私も同じだ。

サイドメニューの鶏皮の炙りも美味しいです


組み立て前の材料が並ぶと、まず、今日は何杯食べるかの作戦を立てる。それによって具材の乗せ方が変わってくる。ごはんとスープはだいたい4杯分くらいは入っていると思う。

後は、前述のとおり盛って食べる。私は基本的に3杯コース。3杯食べて、水を飲んで、最後に器にスープだけ入れてスープを楽しむ。ごはんに入れてちょうどよい塩分濃度なので、スープ単体で飲むと少し塩味が強い。

LCCが飛ぶようになり、島への観光客が増えた。さらに世界自然遺産登録もありネット上の情報も充実してきている。そのため奄美に来たなら「みなとや」と、ここを目指す人が増えてきてちょっとしたオーバーツーリズムが起きている。お店では感染症対策もあり、入店者数の制限を行なっており。予約も受け付けていないので入れないこともある。
そうした時は、またの機会を狙ってほしい。

以前、厨房の様子を取材したことがある。朝早くから鶏のスープを大量の鶏ガラを使って取る。油を丁寧にとり仕上げていく。薄焼き卵を丁寧に1枚1枚焼き、それを刻んで錦糸卵を作る。丁寧な仕事ぶりに感動した。
そんな風景を思い出しながら食べると一層美味しい。

詳しくは、お店のホームページを。開店は11時半。無くなり次第終了。


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