仕事のオキテ 〜与えよ、されば与えられん〜
Aさんは富裕層のご家庭向けのプロ家庭教師派遣会社を経営しています。
そこに応募してきたのはBさん。
Bさんは、Aさんの会社の講師としては実績も学歴も足りなかったのですが、
Bさんが建設作業員をやりながら通信制の大学を卒業した苦労人だったのと、発達の遅いお子さん専門の家庭教師会社で働いたことがあるというのを見込んでBさんをAさんの会社として登録をしたのでした。
講師登録が完了してから数週間後、Bさんから何度か「この日とこの日が指導可能です」と熱心なアピールがあったので、Aさんは「それならご紹介したい案件があるので、ランチでもしながら打ち合わせしましょう。御馳走しますよ」と連絡しました。
するとBさんからこんなコメントが返ってきました。
「ありがとうございます。自分は○曜日が△線○駅前で指導、○曜日はハスキーパーの仕事で○駅指導していますので、近くまで来てもらえますか?」
Aさんは耳を疑いました。
Bさんは、プロとしてはまだまだの人材で、本人もそれは認識しているはずです。当然、紹介会社をBさんのいる場所の近くまで呼びつけられるような立場ではないはずです。しかも、Bさんからの熱心な売り込みに応えて会おうと思ったのに。
Aさんは「Bさんは、講師の質に特にうるさい富裕層のご家庭に紹介するのは厳しいな」と判断して、会うのを中止しました。
Bさんには何が足らなかったのでしょうか。
相手に対するワンステップダウンな姿勢もそうですが、相手に対するgive(ギブ)の姿勢が欠けていたのではないでしょうか。
仕事に対するオキテはgiveの姿勢。
返ってくるのはAさんからではないかもしれません。与えたものはいずれ返ってきます。
Aさんから話を聞いたときに、そんなことを考えました。
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