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1月4日は「石の日」 「殺生石」の伝説についてもご紹介

毎年1月4日は仕事はじめとされることが多いので、年末年始のゆるんだ生活から一気に通常リズムに戻している、という人も多いことでしょう。正直、会社も学校のように初日は半日、次の日も定時より早めに終業、など段階を置いて生活リズムを戻していけるようなことにならないかな~などと思ってしまいますが、現実ではなかなかそういうことにはなりませんね。このあたり、日本ではなく海外の会社ではどうなっているのでしょうか。ちょっと気になりますね。

さて、1月4日は日付の数字のごろ合わせから「石の日(1、4の日)」ということになっています。しかしこの記念日はいつものように「〇〇団体」とかいう普段聞いたこともないような団体や協会が制定したようなものではないようで、単純に語呂合わせから結び付けられて作られたもののようです。


石の日には何をする?

「石の日」が記念日とはいっても、実際は何をする日なのでしょうか?どこかで何かの行事が行われていたりするのでしょうか?

どうやらこの日は石にまつわるもの、「地蔵」「狛犬」「墓石」などに触れて願掛けをすることで願いが叶うということになっているようです。石に関わるものを観光スポットにしているところ、例えば奈良県にある「柳生一刀石」などに行くのも良いですが、そこまでいかなくても身近な石で良いようです。この日に合わせてパワーストーン系のアクセサリーを買う人もいるそうなので、そういうのでもいいんでしょうね。

柳生一刀石
アニメ「鬼滅の刃」で主人公の炭治郎が斬った大きな石に酷似しているということで有名になった観光スポット。コスプレをしてここで写真を撮る人も多いという話です。


石にまつわる伝説「殺生石」を紹介

「石の日」ということなので、石にまつわる伝説をひとつ紹介します。

昨年の春にツイッターを騒がせたものとして、ハッシュタグ「#殺生石」があります。これは栃木県那須町にある観光スポット「殺生石」が割れたことに端を発したものでした。

たまたま観光に訪れていた方が石が割れていることに気づき、その写真をツイッターに上げたことから一気に広まった話題で、

「何か悪いことが起きる前兆なのでは?」
「物価の値上げなど日本経済が悪い方向に向かっているのはこれのせいなのでは……」

などと当時は騒がれたものでした。

ここで殺生石についてちょっと説明しておきましょう。

殺生石とは

この石が何なのかを説明するには順を追っていくのが一番分かりやすいのではないかと思います。

  1. 玉藻前(たまものまえ)という女性が朝廷で上皇をたぶらかせており、その女性の正体が九尾の狐という妖怪だった。
    (※「たぶらかせていた」ということなのですが、これは玉藻前が主動で行っていたというよりも、その美女っぷりに上皇の方が勝手に熱を上げていた、という説もあります。)

  2. 陰陽師に正体を看破された九尾の狐は都を追われ、その後東国で退治され石に姿を変えた

  3. 退治された後のその石が毒を発し、近隣の人々や動物の命を奪うこととなったため、その石が“生き物を殺生する石”つまり「殺生石」と呼ばれるようになった。
    (※このときの毒とされているものが、硫黄などの火山性ガスだとされています。石自体がどうこうというものではなく、温泉地などでもたまに注意を促されているあれですね。)

  4. 命を奪う石をそのままにはしておけないということで、力のある和尚が「殺生石」を打ち砕いた。このときに石のかけらが日本の各地へと飛散していったとされている。


以上が「殺生石」の伝説です。栃木県の那須町以外にも「殺生石」と呼ばれるものが日本各地にあるのは、上記のように砕かれた石のかけらが飛び散ったからだと言われています。

勘違いされやすいのですが、石に九尾の狐を封印していたわけではなく、息絶えた後の狐が石に姿を変えたのだということです。石が割れたからといって、九尾が世に解き放たれるということではないというわけですね。


現在この殺生石は割れたままにされています。石が割れたのも注連縄が切れたのも自然による風化や劣化によるものだからだそうです。まぁ他の石をどっかから持ってきて「殺生石です」というわけにもいかないですしね。

観光で近くを訪れた際にはぜひこの石を見に行かれてはいかがでしょうか。そのときには、謂れのない理由から「殺生石」などと呼ばれることになった狐への哀悼の気持ちを忘れずに。


今回はこのへんで。

それでは、また。


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