(第2弾)ジャニーズは終わってしまったのか⁉新たな戦略と放たれた者たち

名誉会長でもあったメリー喜多川氏の逝去により、追悼の意を込めて
前回、『ジャニーズは終わってしまったのか⁉闘え!新時代の幕開け‼』と題して、ジャニーズ事務所の歴史をざっくりと、名誉会長でもあったメリー喜多川氏の逝去による追悼の意を込めて、ご紹介してきました。

今回、ご紹介するのは故・メリー喜多川の娘である代表取締役社長の藤島ジュリー景子氏と副会長のタッキーこと滝沢秀明の新体制並びに、近年相次ぐジャニーズ事務所退社者の活躍をご紹介します。



遅咲きのSNS時代到来‼

これまでジャニーズ事務所は、日本の芸能事務所の中で一番、肖像権及び著作権に厳しいと有名で、YouTubeをはじめSNS(Twitter、Instagram等)の開設を禁じられてきた。それどころか、ネット上での公式写真掲載も禁じられ、公式ホームページのプロフィールさえも顔写真は掲載されてこなかった。また、映画やドラマ、舞台での制作発表会見や舞台挨拶等の所謂マスコミによる記者会見・囲み取材もジャニーズ事務所タレントだけ省かれていた。ネット写真だけに限らず、これまで放映されてきたドラマ等のDVD化も著作権の観点から発売が未定のものや未再放送・未配信も多くあった。

時が動き始めたのは、やはりSMAPの解散からだ。
ジャニーズ事務所を退所した稲垣吾郎氏、草彅剛氏、香取慎吾氏による新しい地図の結成、YouTubeの開設が発表された2018年頃、ジャニーズ事務所の公式サイトでの顔写真掲載、当時ジャニーズ事務所所属だった錦戸亮主演映画『羊の木』での制作発表会見でのネット写真掲載が可能となり、規定が少しずつ緩和された。

一方で、ジャニーズ事務所を退所した『新しい地図』の三人は、それぞれYouTubeやTwitter、Instagramと当時、若い世代に普及していたSNSの開設で、活躍の場を地上波からネットへと移行し、ジャニーズ事務所所属時に比べると地上波、公の場での活躍は減っていった。
それによって、地上波の民放テレビ各局によるジャニーズ事務所忖度と叫ばれる事もあり、BPO(放送倫理・番組向上機構)審議入りで、注意程の指摘もされた。
しかし、日本のテレビ局からすれば、番組の出演もジャニーズ事務所との契約であって、一個人との契約ではない。また、これまで築き上げてきたジャニーズ事務所と民放テレビ各局の企業との歴史がある。忖度と言えば、忖度なのだろうが、お得意先の取引だから、これはテレビ業界に限ったことではない。なら、映画出演が減っているのは?と、言われると、今の日本映画はほぼほぼテレビ局が関連している為と言ったところだ。
また、ジャニーズ事務所にはファンクラブが存在する。
ドラマや映画にしても、ギャランティなしのエキストラを大量に集めることは厳しい。
そんな時にも、個人より、ジャニーズ事務所の武器ともなるファンクラブでの募集は最適でもある。


しかしながら、相次ぐ退所。

ジャニーズ事務所に所属していたら有利に間違いないはずなのだが、近年、デビュー組の退所が相次いでいる。

デビュー前のJr時代に退所した人気俳優には反町隆史や若手俳優の浅香航大が存在するが、CDデビュー前の退所とあって、ジャニーズのイメージを持つ人は少ないだろう。

SMAP解散騒動の前ではあるが、2014年に退所したKAT-TUNの赤西仁 氏。
2018年9月にタッキー&翼の今井翼 氏。
2018年12月に関ジャニ∞の渋谷すばる 氏。
2019年9月に元・関ジャニ∞及び元・NEWSの錦戸亮 氏。
2020年3月と6月に華々しい退所会見をした中居正広 氏、手越祐也 氏。
同年、10月に元・NEWSの山下智久 氏。
同年、12月に少年隊の錦織一清 氏、植草克秀 氏。
2021年3月にTOKIOの長瀬智也 氏。
同年、11月にV6の森田剛 氏。

元を辿れば、郷ひろみ氏や田原俊彦氏、シブがき隊の薬丸裕英氏、布川敏和氏、木本雅弘氏、光GENJIの諸星和己氏、SMAPの森且行氏(現在:オートレース選手)、NEWSの森内貴寛氏(現在:ONE OK ROCK Taka)など。

ジャニーズ事務所を退所すれば、芸能界から干されるというイメージが強かったが、これは事実のように田原俊彦氏や諸星和己氏など退所後すぐの活躍は難しかった。
SNSの普及等で現在だからこそ、個人個人がメディアを持つ時代になったことで活躍の場があるのも事実。
そもそもアイドルの寿命平均が短いという中で、30歳を超えてアイドルとして活動しているのもアイドル黄金期(80年代、90年代半ば)まではあり得なかった。
それもSMAPが時代を変えたわけで、やはりSMAPの功績は強く、ジャニーズ事務所退所後の道もSNS等の発信で築き上げている。

ジャニーズ退所後の活躍の場

ジャニーズ退所後は、ソロ活動が中心だが、ジャニーズ時代から公私ともに交流の多かった錦戸亮氏と海外を拠点にする赤西仁氏によるプロジェクト『N/A』にて、音楽活動のほか、YouTube開設し、俳優の山田孝之氏、小栗旬氏とのリモート飲み会や佐藤健氏、水川あさみ氏、お笑い芸人の藤森慎吾氏、EXIT等とのゲームコラボ企画など話題と反響を呼んでいる。
華々しい記者会見でSNSやYouTubeの開設、様々なことに挑戦したいと発言していた手越祐也氏も、YouTubeで人気YouTuberとのコラボ等で話題となっている。
また、俳優として活躍する今井翼氏や海外ドラマへの出演が決まった山下智久氏。
海外公演は惜しくもコロナ過で中止となったが、音楽活動に注力する渋谷すばる氏。
裏方として映画監督を目指す長瀬智也氏、これから役者中心に活動すると退所が決まった森田剛氏。

SNSに触れて来なかったジャニーズにとって、錦戸亮氏は使用方法が分からずTwitter開設時には話題にもなった。

ジャニーズ時代と比べると地上波での活躍はなく、干されたようにも思えるが、SNS等の個人メディアを持って活動できる時代、海外志向の活動などジャニーズ事務所の方針にズレが出た結果でもある。

しかし、ジャニーズ事務所も負けてられない。


肖像権・著作権の緩和により、公式の写真等が可能になったほか、ネット配信ドラマへの出演、SNS(Twitter、Instagram)の開設、YouTubeによるジャニーズ専門チャンネルの開設のほか、個人やグループでもYouTubeチャンネルが開設され、人気YouTuberとのコラボ企画や出演、何より驚いたのがゲーマーとして知られている山田涼介氏がゲーム実況専門のチャンネルを開設した事。
また、地上波でも活躍の場は変わらないが、アイドルらしからぬ個性的なタレントも生まれ、天然やアニメオタク、俳句の才能、気象予報士、下ネタ発言やバラエティでの全裸露出など。
ジャニーズファンに留まらず、他ジャンルのコアなファンまで呼び寄せる戦略が続く。
今や事務所から止めに入ることも出来ない状態なのか、活動を制限すると退所するのを恐れているようにも思える自由な活動・発言が可能になったジャニーズ事務所。

大手事務所から相次ぐ退所

だが、これはジャニーズ事務所に限らない。
SNSの普及でメディアが個人化した現在、大手芸能事務所であるアミューズから独立した佐藤健氏と神木隆之介氏、ONE OK ROCKのTaka、オスカープロモーション所属だった米倉涼子氏、スターダストプロモーションから柴咲コウ氏、俳優の安藤政信氏などフリーで活動する役者もここ数年で続々増えている。

その理由の一つとしては、日本の芸能界はまだまだ口契約や紙切れ一枚の契約、企業同士の契約が多い事。
海外では、タレント(俳優等)個人と契約することが殆どだ。
また、その契約も図鑑のように分厚い契約書があったりと、日本の芸能界が遅れているのも事実である。
日本の芸能界は、不祥事を起こせば、契約書によっては事務所が負担するケースが多い(他の所属者に変更したり、賠償金など)が、海外では個人との契約のため、個人にすべて責任が負う。
このような事実もあって、海外での活動をするには契約書が必要なのだが、それは個人との契約のため、日本の芸能事務所のほとんどが規制し、契約を交わせないことがあり、フリーとなる芸能人も多い。
海外のドラマ出演が決まった山下智久氏も、ジャニーズ事務所を退所しなければ夢を掴むことが出来なかった事実があるように。

まとめ

また、地上波で大活躍している芸能人や芸能事務所専門のチャンネルの開設が目立ち始めたコロナ時代。YouTubeに進出し、利益を上げる事に成功しているのも事実。
YouTuberからしたら大打撃かと思いきや、地上波と比べて視聴者が若年齢層に多く、コラボ企画など逆手に取って活躍する人気YouTuberも増えている。
地上波では難しい企画もYouTubeでは自由な発想とタレントパワーで日々、楽しませてくれているのも芸能界が変わりつつある傾向を見せている。
また、YouTuberやインフルエンサーという言葉が流行りだしてからは、芸能界に留まらず、一般人でも自己プロデュース力でカリスマ的存在が生まれている。この時代を日本のテレビ業界、芸能界はどう捉え、どのように変化していくのか。YouTuberのような自由な発想で、何も縛られず解き放す事が可能になっていくのか。

2021年、執筆現在でジャニーズ事務所所属時及び退所後による不祥事(退所理由等)を起こしたタレントは除く。

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