良い年齢の重ね方

2020年3月7日㈯

外勤先のクリニックで新しいスタッフの方が入った。去年就職した正社員の衛生士さんが3月と4月で辞めるにあたり、新しい人を採用した。正社員の衛生士は1年ともたなかったのだが、個人的にはそれはそれで悪くないと思う。歯科医院はそれぞれ特徴があれど、衛生士さんの業務は患者さんの施術、歯磨き指導を軸にしている。地域性や患者さんの年層が変わっても基本的なスキルは同じだし、最終的には丁寧な対応が喜ばれるのも共通している。ただ、人がどういうポイントで「丁寧さ」を感じるかは若干異なり、そのパターンは実際に患者さんに接して実践しないと分からない。とくに衛生士さんの経験年数が浅いうちは、患者さんはもちろん、上司や同僚もたくさんの人々に会っておくことは、人間性のバリエーションを理解するのに役立つと思う。どこに行っても通用するスキルを持っていることが衛生士の資格をもつメリットだし、クリニック側にとっても人の流動性があることは空気の循環になって良い。ちょっと合わない、とか、飽きた、と思ったらどんどん辞めて次のところに行っていい、ともし仕事に悩んでいる衛生士さんがいたら伝えたい。

50歳の衛生士さんがパート(非常勤)で入ってくださった。年齢よりずっと若く見えておしゃれにも気を使っている印象があった。パートといえど、週4~5でおわりまでいてくれるらしいのでありがたい。息子、娘2人のお母さんだそうだ。歯科医師になってから5年目だが、衛生士さんや助手さんとの日々のコミュニケーションの大切さを身に沁みいているので、積極的に色々とお話を伺ってみた。前職場は8年くらい勤めた、という話をきいたあと、その前のこともきいてみると、結婚して子育てが一段落するまで20年弱のブランクがあったそうだ。ブランクからやってみよう、という気持ちになるのはすごいと思った。それに、1日半くらい一緒に過ごしてみて、ほかのスタッフさんを含めてずっと年下にもかかわらず、少しも年長者の雰囲気をださずにフラットに接してくれるのも素敵だなと思っていた。ブランクがあってもそこからスキルを再勉強すれば問題ないし、むしろ年代の離れたわたしたちにも分け隔てなく接してくれる謙虚さは素晴らしいと思った。おまけに見た目も若くておしゃれにも気遣えて、わたしもこういうふうに年齢を重ねていきたい、と思える人に出会えてうれしく思った。


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