今持てる最大限の全力を出した結果

 もう作品を発表する度に恒例になっている坂道Gのヒット祈願企画、今回日向坂46の5thシングル「君しか勝たん」のそれは全員でチアリーディングに挑戦し生配信ライヴで披露する、というものだった。
グループとしての仕事、個人の仕事、外仕事各々彼女たちを今メディアで見ない日はない、といっても言い過ぎではない位多忙を極める中で約1ヶ月の練習の成果は非常に心に訴えかけるものがあった。
勿論やりきった、という満足からの笑顔や悔しい、と思う涙などメンバー個々でも気持ちの整理は違うと思う。それでも彼女たちの全力で今井は持てる全てを全国の人たちに届けるんだ、というハッピーオーラは多くの人が感動や勇気を貰えたと思う。
それはキャプテンの佐々木久美さんが「努力してきた時間は無駄じゃないし、悔しいと思えるのはみんながんばってきたからだと思うしもっと日向坂は強くなれた」という言葉に表れているのではないだろうか。
しかしそれとは別に考えなくてはならない部分もある。それはあまりの多忙の中で限界ギリギリに見えて(しまった)メンバーもいる中で果たしてそういう姿を見せる事がイコール感動を貰うという図式になる事は考え直さなくてはいけないのではないだろうか?例えばそれは野球選手が自分の選手生命が絶たれる故障をおしてまで最後まで出続けてそのいい言い方をすればひたむきな姿を見ることで感動物語に仕立て上げるそれと似ている気がする。
今回本番直前に佐々木美玲さんの体調不良による休養が発表された。
日向坂46になってから何人か自身の体調の問題などで休養をしたメンバーもいるがそれは限界ギリギリなところと決して無関係ではないと思う。表題曲のセンターの加藤史帆さんはメッセージアプリで「心はとても元気だから心配しないで」と言ってたが昨日パフォーマンスをしてすぐのこのメッセージはほっ、としたファンもいれば逆に気が張ってる中で心配をかけまい、という気遣いが緊張の糸が切れた時に心配と思ったファンもいると思う。そしてパフォーマンス後にアップされたblogに「心配させるような顔をファンの前で絶対にしたくなかったけど体がいうこときかなかった」と書かれていた。これを読むと120%よかったかと問われるととてもイエスとは言えない。勿論自分の限界を超えて物事に立ち向かう事で得られないものがあることも確かだ。ただそういう行為だけがマストになってしまう風潮はこのヒット祈願だけでなくありとあらゆる分野で見つめ直さないといけないと思った。

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