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Eyeのなかに、愛は見える?

ひとは、どうして、相手の目を見るのでしょうか。いや、ひとだけではありません。すくなくとも哺乳動物は、目を見つめあいます。なぜでしょう。

目は、視覚情報を集めるため。相手にであったとき、そのひとや動物が、どのような情報収集をしているのか、目を見ればおおよその見当がつきます。ということは、本人は、情報を受信しているとともに、情報の発信もしていることになる。

目を見ることで、そのひとや動物がなにを感じているかをうかがい知ると同時に、何を見ているかがわかります。視線の先を追うことでも、他者の考えていることが推しはかれるわけです。

加えて、ひとの場合は、目をふくむ顔の各部分に30種類をこえる表情筋とよばれる筋肉があって、複雑な表情をつくりだすとか。

ひとの赤ちゃんは、生後1時間もしないうちに、まわりのひとが舌を出せば、舌を出すし、口をあければ、口をあけるまねをします。3か月目になると、ひとの顔または、そうしたカタチを好むようにもなる。

目は口ほどにものをいうといいますが、目だけでなく、表情すべてが、なにかを訴えかけてくる。

このシリーズでは、発想のための情報集めについて考えてきました。いままでは、他人の手をヘた情報、2次情報について触れたのですが、今回からは1次情報を取り上げます。

1次情報についての初回は、ひとから見えてくること。もちろん、おしゃべりをすれば、いろいろと情報を得られますが、それがどこまでほんとうのことか、ウラにかくされた意味合いはないのかなどのチェックは、目や表情から読み取るしかありません。

じかにひとに会うことで、相手の無意識のメッセージについても受け取れるのです。

情報機関の専門家は、ひとを通した情報収集をHuman Intelligence(HUMINT)と呼びます。最近では、監視衛星や電波傍受など、さまざまな新しい情報収集が注目されて、「ヒューミント」は軽視されているとか。

cf.Margolis,G.(2013) 'The Lack of HUMINT: A Recurring Intelligence Problem.'

globalsecuritystudies.com/Margolis%20Intelligence%20

ビジネスの現場でも、似たようなことが起きています。ビッグデータの解析や海外の成功事例の分析には取り組むものの、店頭でお客さまをしっかりと観察するとか、製品を使っている姿を見直すといった生々しいひと情報の獲得を怠りがちなのです。

最近、誰かと見つめあったことはありますか。そこまでいかなくても、横顔をじっと見つめるとか。ともかく、相手の気持ちのゆらめきを敏感に感じ取ってみる。

恋したときだけでなく、ときには、eyeのなかにまったく愛を感じられない、敵対するかもしれないひとに対しても、目や表情をうかがいながら、本意を探ることは、後々、役立ちます。

そういうときも、こちらの目元はやわらかく、つつみこむように相手の目を見るのがコツです。


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