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Moonを、ボリボリ、食べちゃう絵本

幼い子は、なんでも口に入れたがります。たとえば、お月さまも。内外の絵本132冊を見ていったことがありますが、そのうち、7冊は「月を食べる」話でした。

http://repository.tku.ac.jp/dspace/handle/11150/10764

『リスとお月さま』という絵本では、リスが大きな丸いチーズと、月を同じものだと思いこみます。『お月さまって どんなあじ?』もドイツの絵本ですが、月の味を知りたくて、カメのうえにゾウ、そのうえにキリン、シマウマ、ライオン、キツネ、サル、ネズミがのっかる話。月に届いたネズミが、月のはしっこをバリッとかじります。「なんともいいあじ」がして。みんなにわけると、「みんながそれぞれいちばんすきなあじがしました」というのです。

日本の絵本を見てみましょう。『まんまるおつきさん』は、月がおせんべい、メロンパン、お好み焼きに見えてくる話です。『お月さまたべちゃった?』では、いつも夢の中に月が出てくるクマが、ある朝起きると、自分のおなかが光っているので、「月を食べちゃった」と心配します。

おとなになると、さすがに「月を食べる」という発想は出てきません。味覚は、視覚・聴覚・嗅覚とは異なり、舌という一点だけで感じる五感です。触覚よりも、情報収集の「場」が小さい。でも、からだのなかの内臓の「先端」が舌であると考えると、世界は違って見えてくると思います。

さて、味覚は、どのように発想につながるのでしょうか。

『リスとお月さま』2007 コンセル
『お月さまって どんなあじ?』1995 らんか社
『まんまるおつきさん』2009 偕成社

『お月さまたべちゃった?』1986 あすなろ書房

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