平安時代のスマホは、檜扇だった
檜の薄板で作られた木簡、そのはしっこを閉じたものが扇の始まり。檜扇(ひおうぎ)と呼ばれています。もとが木簡ですから、二十数枚の薄板には、文字を書く場合もあって。儀式の作法を書いていた人もいる。
手に持つ情報源、アナログのスマホ。平安貴族は、袍をはおって、冠をして、檜扇を手に持って、「ああ、遅刻だ、たいへん」とかいいながら、役所に行ったのでしょう。
京都の東寺に、877年頃の現存する最古の檜扇があって。ことばと絵が残っています。暑い日にはあおぎなから、時々、檜扇というメモ帳を確かめていた人や、思いついたアイデアを、檜扇に書いていた人もいるでしょうね。
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