TEPPEI RECOMMEND 2024 3/31 ~4/6

いまオススメのロックをテキストと共にお届けするTEPPEI RECOMMEND。今週は8曲紹介します。4月になったので新しいプレイリストでスタートです。曲にはYouTubeのリンクを貼っときます。Spotifyで聴けない人はそちらをチェックしてください。ではまいりましょう。

1曲目はVampire Weekend(ヴァンパイア・ウィークエンド)の『Prep-School Gangsters』。ついに出ました5枚目のアルバム。最高の曲ばかりの全10曲。その5曲目、真ん中で全体を支える一曲が『Prep-School Gangsters』。ギターとピアノによる静かなイントロ。そこにドラムが加わるとほぼ同時に歌が入ってくるのだけど、この徐々に盛り上がっていく感じが緩やかに高揚する心のありようを表現しているようで、聴いていてとても心地よい。曲のラスト30秒ではストリングスが入ってきて盛り上がる。完璧な締めくくり。いい曲だ。

2曲目はSoft Launch(ソフト・ローンチ)の『Cartwheels』。ソフト・ローンチはアイルランドの5人組ロックバンド。これがデヴューシングル。元The Strypes(ストライプス)のジョシュが在籍しているのだけど、曲はストライプスがガレージ・ロックだったのとは全く違い、90年代のギターポップを連想するようなポップなもの。Spotifyのソフト・ローンチのページにメンバーそれぞれのプレイリストがあるのだけど、ロックはもちろん、ポップやヒップホップや様々で、これからどんな音楽が出てくるのか楽しみ。

3曲目はWinnetka Bowling League(ウィネトカ・ボウリング・リーグ)の『Handsome』。ウィネトカ・ボウリング・リーグはロス・アンジェルスの3人組ロックバンド。一聴して耳から離れないメロディーが素晴らしくて、去年の10月にリリースされた『Breakfast for Dinner』という曲のサビを数秒聴いただけで好きになっていた。2018年から活動しているみたいなのだけど、EPを数枚出しているだけでアルバムはまだみたい。期待。

4曲目はThe Black Keys(ザ・ブラック・キーズ)の『Please Me (Till I'm Satisfied)』。オハイオ州アクロンの2人組ロックバンド、ザ・ブラック・キーズ。その10枚目、最新アルバムのタイトルは『Ohio Players』。オハイオの演奏家とでも訳すんだろうか、そのまんまだけど、原点回帰ってことでしょうか。ベックやノエル・ギャラガーが参加してるアルバムってことで注目されているけれど、いい曲が多くて2人の気合の入れようが伝わってくる。その中でも踊れる2曲、1月にシングルリリースされたときにここでも紹介した『Beautiful People (Stay High)』と、今回紹介の『Please Me (Till I'm Satisfied)』がお気に入り。リズミカルなドラム、トライバルなビートが始まったときには『Sympathy For The Devil』を思い浮かべたけど、「プリーズ、プリーズ」って繰り返すところは「イェーイ、イェーイ、フー」(『Brown Sugar』)が頭に浮かんだ。つまりはロックンロール。ライブを観たい。

5曲目は前回も紹介したA Place To Bury Strangers(ア・プレイス・トゥ・ベリー・ストレンジャーズ)のニューシングル『I Can Never Be As Great As You』。この曲も『Chasing Colors』のように激しく速い。ギターもノイズをまき散らしている。ただ『Chasing Colors』では囁くような調子だったボーカルがこちらではしっかりと歌っていて、よりストレートなロックンロールに仕上がっている。ちょっとオアシスの『Bring It On Down』を思い浮かべたけど、改めてを聴いてみるとそんなに似てはない。っていうか、これはBPM的にもジザメリの『Never Understanding』だった。

6曲目から8曲目は南アフリカはケープタウンの3人組バンド、Beatenberg(ビーテンベルグ)から。彼らは2008年から活動していて4月5日にリリースされた『The Great Fire of Beatenberg』が5枚目のフルアルバムとなる。6曲目『Eau De Toilette』、7曲目『Worth More』、8曲目『Wheelbarrow』と聴いてもらえばわかる通り、Vampire Weekend的なトロピカルなインディーロックにクラブ・ミュージックとかラテン音楽を散りばめたような音楽。とても聴き心地がよくて、クラブの早い時間、ビールを飲みながらの会話する際のBGMにはもってこいかも。

ということで今週の曲紹介は終わり、今回は本当にちょっとだけ雑感を。

【今週の雑感】
今週はソニックマニアのチケットを買いました。即完なんじゃないかと心配して、時間ぴったりにイープラスで買ったけど、当然というか、いまもって全然売り切れにはなってない。まあでも、深夜の幕張メッセで快適に過ごせるからあまり売れない方がいいかも。あと、今月は2つライブいきます。13日にシンクロニシティという渋谷のいくつかの箱を回遊する形式で開催されるフェス、27日に新代田Feverで開催されるosees日本公演。13日の方は日本のバンドばかりが出るのだけど、betcover!!というずっと気になっていたバンドとNo Busesという好きなバンドが連続で観れるということで、高まってます。oseesは好きは好きなんだけど、そんなに曲を知ってるわけではない。あのガレージロックをライブハウスで浴びるのはヤバいだろうなという想像だけで申し込んだ。もちろん5000円ぽっきりというは魅力だったけれども。
そのほか今週のリリースでいうとVampire Weekendだね。すべてかっさらっていった感がある。ファーストシングルの『Capricorn』の時点はそれほど騒がれてなくて、あれれ?って感じだったけど、やっぱりというか、最終的には音楽能力の高さでねじ伏せた感がある。コロンビア大学で結成されたエリートバンドってふれこみ、大学生が週末パーティーのノリでつけたみたいなVampire Weekend(ヴァンパイア・ウィークエンド)という名前と共に2008年にシーンに現れてから(シングルの『A-Punk』はその数か月前か)、16年間ずっと彼らがナンバーワン・インディーロックって印象(と書いて思い出したけどナンバーワンは1975か。でもあれはインディーロックというのとはちょっと違う)。途中メンバーの脱退もあったのにすごいとしかいいようがない。あと今週はThe Libertines(リバティーンズ)の新譜も発売になった。結論から言えばいいアルバムではなかった。落ち着いてしまって、これまで彼らに求めていた要素が影を潜めた、言ってしまえば別バンドのアルバムのような印象を抱いた。最初の2枚は例外だから比較してもしょうがないけど、3枚目よりもずいぶん劣るかな。でも嘘はなかった。45歳とか46歳の彼らなりの等身大の音楽だった。これからも何年かに一度こういうアルバムを出してもらえたら嬉しいな。傑作はいらないので、そのときどきに感じたことを音と詞で伝えてほしい。そしたら必ず聴いて感想を書くから。

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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