【Netflix】『ピーキー・ブラインダーズ』にどハマり中で寝不足

ピーキー・ブラインダーズがとにかく面白い。1920年代のイギリス・バーミンガムを舞台に、トーマス・シェルビー率いるギャング集団がのしあがっていく様を描いたドラマシリーズで、制作はイギリスの映画監督/脚本家/小説家のスティーブン・ナイト。このナイトさん、デヴィッド・クローネンバーグ監督の映画『イースタン・プロミス』(2007年)では脚本を担当していたようだ。

Smithonian Magazineの記事によると「ピーキー・ブラインダーズ」というギャングは1890年頃に実在したものの、弱そうな人ばかりを狙って暴行を加える卑劣な集団だったようだ。方やドラマのピーキー・ブラインダーズは、スティーブン・ナイトが自身の父親から聞いた「とてつもなく身なりが良く、力のある」ギャングの話からインスパイアされており、道理を弁えたアウトローというか、ダーク・ヒーロー的な描かれ方をしており、同記事によると、共通点は服の着こなしと無法者ぶり、メンバーの大部分が労働者階級であること、だそうだ。

何はともあれ、これが面白く、一気に6シーズン分Netflixで解禁されたものだから、延々と見続けてしまう。「まさかそんなことが起こらないでしょ」と視聴者側の期待を完膚なきまでに裏切る、非道な展開ぶりや、アウトレイジよろしく「全員悪人」の登場人物たちの間の駆け引きがとにかくスリリングで、時間を忘れて見てしまう。主演のキリアン・マーフィーがハマり役すぎて、しばらく彼の他の出演作を見ても「トーマス、こんなところで何してるんだ?」と思ってしまいそう…。冷徹なインテリギャング、トーマスを演じるキリアン・マーフィーの演技力が素晴らしいのはもちろん、彼について調べてみると、実はティーンの頃はミュージシャン志望だったとのこと。しかも、フランク・ザッパの曲『Mr Green Genes』からバンド名を拝借しており、アシッド・ジャズを演奏していたというから驚きだ。レコード契約にまで行き着いたものの、実現はしなかったようだ。

話は逸れたが、『ピーキー・ブラインダーズ』は音楽も素晴らしい。テーマソングはNick Cave And The Bad Seedsだし、他にもPJ HarveyやRadiohead、Jack Whiteなどの音楽が使用されておりとにかく豪華。トム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、トム・スキナーによって結成されたザ・スマイルの楽曲『Pana-vision』が、最終エピソードでフィーチャーされていて、その映像はMVとしても公開されている。こちらは『ピーキー・ブラインダーズ』の美しいシネマトグラフィーも堪能できる。


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