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関友美の連載コラム「雪まつり 毎年恒例のあったか日本酒スポット」(リカーズ2月号)

~本文の前に
リカーズのコラムは、数カ月前に執筆して発刊元に提出しています。2月号で取り上げた「さっぽろ雪まつり」は2022年、コロナ禍の影響で見送りとなり、オンライン開催が決定しています。戦時中のような異例の事態を目の当たりにして、1日も早い回復と、経済の再始動を願わずにはいられません。(2022年1月27日 冊子が手元に届いて…)


この季節、カレンダーを眺めると「雪まつりの時期だなぁ」と思ってしまうのは道産子の性。毎年2月第一週から第二週にかけておこなわれます。もともと大通公園は、市民が雪かきした雪を捨てに来る場所でした。その雪を利用して、中高生が雪像を作ったのが起源だそうです。私が小さい頃には、大通公園会場、すすきの会場、中島会場、真駒内会場の4会場がありました。大通会場は繊細な雪像や市民の雪像を間近に見ることができます。スキーのアクロバティックショーも息をのんだなぁ。すすきの会場は普段行くことのないネオン街のなかに氷の像が輝き、ドキドキしたのを覚えています。子供にとってのメインは何と言っても真駒内会場。陸上自衛隊が制作した超巨大すべり台が何基も並ぶ迫力ある様子、泣き出す子もいるほどスリルある滑り心地は今でも心に焼き付いています。真駒内会場は、つどーむ会場へと変わり、アクティビティも多彩になっています。多少の変化はあっても、70年以上続いてきた冬の風物詩。この先もできるだけ続いて欲しいものです。

 そんな思いを胸に、大人になった私が行く先といえば、大通会場10丁目「北海道地酒ショット&ボトル販売所」です。北海道酒造組合の主催で、北海道中の日本酒、本格焼酎、リキュール類など約70種類が集まります。1杯100円から飲めて、気に入った商品はその場で購入、発送が可能。珍しい特別なお酒もあれば、ししゃもや干しイカなど普段ネット販売されていないような隠れた旨い珍味も置いています。かじかむ身体をストーブで暖め、熱燗を飲みながら肴をかじれば「これぞ北国。冬の醍醐味!」といったところ。酒飲みには嬉しい、雪まつりのオアシスです。

北海道の酒蔵といえば・・・元々あった「北の錦」「国稀」「大雪の蔵」「二世古」「男山」「福司」「宝川」「金滴」「北の勝」「千歳鶴」「国士無双」に、2017年「上川大雪・緑丘蔵」が加わり、ここ数年岐阜から移転した「三千櫻」、新しい箱館醸蔵「GOHHOU」、日本初となる大学構内の酒蔵・上川大雪酒造碧雲蔵「十勝」が仲間入りして全15蔵の日本酒蔵が存在することに。きっと今年のイベントからその全てが参加することでしょう。かつて不毛の大地と呼ばれた北海道ですが、温暖化が進む現在では酒づくり希望の地として注目されています。チェックする意味でも、ぜひ機会があれば雪まつりの日本酒ブースに足を運んでみてくださいね。
以上

庄司酒店発刊「リカーズ」連載日本酒コラム
関友美の「そうだ。日本酒を飲もう。」2月号より

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