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自分の”居場所を確保する”のが大変だった/OG座談会①

積水化学女子陸上競技部で活躍した数々の選手たち。
セカンドキャリアはそれぞれですが、
引退後に積水化学の従業員として活躍している
選手も数多くいます。
今回は、その中から同時期に活躍した3名が集まり、
現役時代のエピソード、社員になった時の苦労、
応援する側になった今、外から見た陸上競技部は、
どんな違いがあるかを聞きました。

清水裕子:2017年引退 積水メディカル(株)人事統括部
山本知世:2017年引退 積水化学工業(株)環境・ライフラインカンパニー 東日本支店
尾西美咲:2018年引退 積水化学工業(株)女子陸上競技部事務局

道筋を立てるようになって変わった

――それぞれ、現役時代の専門種目を教えてください

山本「駅伝短い担当です(笑)」

尾西「私は5000mで、あと駅伝は1区と2区が多かったです」

清水「吹雪だったよね、岐阜の時。私は5000m+10000mです」

――現在はどんな仕事を担当していますか?

清水「人事関連です。引退後7年間ずっと採用関連で、新卒や中途、障害者雇用作業全般を担当していました。今年4月から部署異動して、人事グループで主に異動や従業員のエンゲージメント関連を担当しています。採用の時は、面接官のスケジュールをセッティングして、学生さんとの日程調整などを一通り行っていました。


清水裕子

山本「営業の方のサポート業務を主に行っています。お客様の発注や製品の問い合わせを受けたり、納期調整や手配など行っています。主には住宅についてる『雨とい』などですね。工場用の排水に使うタイプのものなど手配しています」

尾西「私は、積水化学女子陸上競技部のフロントスタッフをやっています。陸上部の事務的なことと、広報関連業務やイベントの調整なども行っています」

――現役時代の印象に残っているエピソードを教えてください。

尾西「私とゆうこちゃん(清水)がいた頃は、駅伝で予選落ちしたりして、ちょうど積水化学の低迷期みたいな時期もありました。その後、今の野口(英盛)さんが監督になって徐々に強くなっていったんですよね」

清水「組織というか、チームとして機能し始めた感じはありました。それまでは、強い先輩が個々に頑張っている感じでしたけど、駅伝の目標とか立て始めたり、この試合に出たら次はどうするとか、春先の試合を使って日本選手権ではどのくらい走ろうとか。そんな道筋を立てるようになり、変わった感はあります」

山本「変なエピソードばかりですけど…。当時の選手はよく野口監督とケンカしてましたよね(笑)」

山本知世

清水「ボルダーで事故にあった事もあって、その直後に日本選手権があって。私はオリンピックの標準記録が切れていたので、ロンドンオリンピック出場をかけて3番以内に入りたいと思っていたのですが、事故が全てではないですけど、結局叶わなかった。でも、そういったトラブル含めて、結果に関係なく、その時一生懸命頑張ったのが記憶に残ってますね」

毎日心折れつつ、メールの定型文から覚えた

――選手から社員になって、戸惑ったことや苦労したことはありましたか?

清水「30歳過ぎて会社に入らせてもらいましたが、同世代の方に比べて何も仕事ができないんですよ。電話も取れない、メールもよくわからない。現役時代ほとんど仕事もしていなくて、寮と合宿所の往復みたいな生活だったので、ビジネススキルは全くなかった。だから、毎日心折れながら、メールの定型文から覚えるような感じでしたね。恥ずかしさもありつつ、”できない悔しさ”みたいなものもあったと思います」

山本「私は元々、パソコン作業はできたので、社員に移って特に苦労したことはありませんでした。ただ、最初は忙しい部署に配属されたので、『教えて』となかなか言えず、仕事を見て覚えるのが一番大変でしたね。自分の仕事をものにして、”自分の居場所を確保する”のが、最初は大変でした」

尾西「私は高校が商業科だったのもあって、パソコン作業はあまり苦ではなかったですし、やり取りするのが選手時代にお世話になっていた人も多かったので、比較的すんなりと業務に入れました。ただ、陸上競技部で使っているお金とかを管理するようになって、それを数字でちゃんと見て驚く部分はありましたね。”こんなに使ってるんだ”って…」

尾西美咲

清水「お金の話もそうですけど、応援に来てくださるのも、選手じゃない目線から見ると変わりますよね。従業員の方は普段、月曜日から金曜日まで働いて、土日の休日に自分の交通費で来てくれている。選手時代は『あ、来てくださったんですか。ありがとうございます』とかですけど、お子さんもいるのに来てくださったりすると、『もう大変なのに、わざわざ時間割いてきてくださって、なんか申し訳ありません!』みたいな(笑)」

尾西「選手の時は、”日本代表になったら結果出さないと申し訳ない”みたいな感覚だったけど、応援する側に入ったら、積水化学の選手・同じ社員が日本代表で走っているだけで感動するって言ってくれていた感覚がわかった。選手の時は慰めてくれているのかなと思っていたけど、本当なんだと思いましたね。結果が良かったらもちろん嬉しいですけど、あまり結果が出なくても、頑張ってる姿を見てもらうのが大事なんだ、っていうのは外から見て思ったことですね」

➡VOL.2へ続く


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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