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ここまでの選択に、後悔する点はひとつもないから/楠莉奈①

始まりを告げた、春のトラックシーズン。
楠莉奈選手は4/8(土)の金栗記念(金栗記念
選抜陸上中長距離大会2023)5000mに出場。
15分36秒88で、2組1着と好タイムを記録しました。

良い結果が出た要因を彼女は、
「今まで自分がやってきた形を崩さず、5000mを走りきるトレーニングの流れを作ってクリアできた」ことと、
それに加えて「仲間を集められたこと」だと言います。

結果は悪くても過程に後悔はない

「レース当日は結構風が吹いていて、夜はかなり落ち着きましたが、まだ風がやみきってない状況でのレースでした。自分自身は記録を狙いに来ていたので『天候に左右されて諦めるのも、なんか嫌だな』という気持ちがあったんです。それで周囲の選手に声をかけて、一緒にペースを作る仲間を集めました」

私の他にも、きっと記録を狙いに来ている人がいる。
そう考えた楠選手は、『よかったら一緒に、代わる代わる風よけになりながら、一緒にタイム狙える状況を作ろう』と、選手数人に声をかけました。

「そうしたら何人か協力してくれて『一緒に挑戦したいです』って言ってくれた選手もいました。ライバルであり仲間のような、いいチームワークで走れたのは、良かったと思います」

その行動が結果に結びついた後、
楠選手は3週間後の4/29(土)、織田記念
(織田幹雄記念国際陸上競技大会)に出場。
結果は15分48秒73で、少し記録は落ちましたが、
新たなことにチャレンジして出た結果に、
本人は「後悔はない」と確信を持ちます。

「織田記念は、今までの型にとらわれず、やったことがないような流れの練習も取り入れて挑んだ大会でした。結果だけ見たら、あまり体が動かなかったなとか、疲れが取り切れなかったとか反省点は出ましたけど、約3週間でやりたかった練習やのひとつの流れができた。試す部分では、自分の体や練習パターンを知るきっかけになったので、良かったなと思っています」

この2レースで掴んだ感触は、本人にとっても
大きな経験になりました。

納得した上での取り組みが、結果に結びついてくれれば


昨年11月のクイーンズ駅伝では、
「個人としては評価できる走り」を見せた楠選手。
その後は、1月の段階で足に痛みが出たのもあり、
一部レースをキャンセルしましたが、
2月は順調にトレーニングを継続してきました。

「周りと相談しながら、 結果的にはいい選択ができた。ここを我慢して次に繋げようと、素直に切り替えられたのは良かったです」

信頼できるスタッフに支えられて、
たとえ状態が悪くても、前進できている。
そんな充実感の中で、迎えた春先。
そこで目標にしていた日本選手権の
標準記録突破を果たせたことは、
自身の中でも手応えになりました。

「日本選手権は、出るだけではダメな大会だと思うんです。でも、日本のトップの大会から数年離れていた自分にとっては、そこに出場する切符を手に入れられるかもしれない、その状況まで持ってこれたこと自体が、今までトレーニングしてきた成果だなと思っています。最終的に目指すところを思えば、まだ戻りきっていない、新しく力をつけなきゃいけないところもあります。でも、そこにネガティブな感じはなくて、ここまで様々な選択、やってきたトレーニングに関して、後悔する点はひとつもない。コーチと相談しながら、納得した上で行ってきたトレーニングやこの流れが、結果に結びついてくれれば自分としても嬉しいなっていう感じです」


確実に前進できている感覚、
しっかりした計画のもとに集めたヒントを手に、
日本選手権での勝負に臨む。
そして夏以降のトラックレースで、
記録に挑戦できる状態を作る。
そんな途上に今、楠選手はいます。



文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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