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「素直に悔しい」自己ベスト

2021年、夏。
卜部蘭選手は、ひとつの大きな壁に挑みました。

世界的には、海外選手に大きく
実力面で差をつけられている女子中距離界1500m。
その中で、日本人女性として初めて、
国際大会のスタートラインに立ったのです。

試合では、スタートから先頭集団につけた卜部選手。
序盤は、前から7番目の内側。
上位を狙いやすい位置取りで、レース展開を伺います。

そのまま400mを通過。
さらに、残り2週で8~9番手。
引き続き、集団内側につけます。

そして、7位でラスト1週。
そこでアクシデントが起こりました。

動いたレース

残り400m、一気に全選手がスパートを
かけるタイミングで、選手は団子状態。
前を走る選手と接触しそうになり、
少し牽制する卜部選手。

その直後でした。
すぐ手前を走る選手が周りの選手と接触。
ケニアのエディナ・ジェビトク選手と、
オランダのシファン・ハッサン選手が転倒。
大きくレースが動きます。

これをきっかけに、グループは二つに分かれ、
残り300mで先頭集団は5人。
卜部選手は第2グループの後方へ。

残り200mで十番手に。
自己ベストより速いペースの中、
必死に先頭についていこうと力の限り走りました。

「素直に悔しい」

最終的に、卜部選手はこの大舞台で自己記録を更新。
1500m 4分10秒52だったタイムを約3秒縮める、
4分7秒90で走り終えました。

結果としては2組9位で、上位に入れず予選落ち。
準決勝には進めませんでしたが、
世界のトップ選手と走ることで、
日本歴代3位(第2組終了時点)の記録をマークしました。

卜部選手は試合後、「今日は全力で戦って、今の力が世界でどうなのか肌で感じたいのが一番でした。最後、ラスト一週で接触もあって、自分の行きたい位置で、先頭集団で勝負できなかったのが素直に悔しい」と語っています。

自己ベストを更新しても、「悔しい」と思う気持ち。
その気持ちこそが、明日に向けて成長の糧になります。

「またこの場でリベンジできるように力をつけたい」と話した卜部選手。
一回り成長した彼女が
これからどんな目標に向かっていくのか。
彼女のこれからの走りと、活動にご期待ください。


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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