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最後まで笑って終わりたい

昨年11月のクイーンズ駅伝で、
2015年の入社以来、初めてメンバー入りを
果たせなかった森智香子選手。
その悔しさは、大会後の冬季レースでも
活かされています。

走る気がなかったハーフも結果につながる

森選手は、12月以降
12/24日体大長距離記録会5000m(15'36"72)、
1/15全国都道府県対抗女子駅伝
(1区6.0km:19'39")、
そして、山口での2/12全日本実業団ハーフ
マラソン(1°12'33")、と3レースに出場。
約1カ月ごとに1レース程度こなす中、
その全てが次へつながっている、と話します。

「本当に一つひとつが、次に向けてつながってると思っています。12月の日体大記録会も、駅伝の時は急ピッチで調子をあわせましたが、その後でしっかり練習して目標タイムの15分40秒を切れました。年明けの都道府県対抗女子駅伝は、2月のハーフマラソンも控えた状況でのロードの大会。4月からのトラックレースに向けて、冬季の取り組みの一環にも充てられると考えていたので、その先を見据えて取り組むことができました」

中でも、1500m・3000mSC中心の選手が
ハーフマラソンを走る(そして記録を出す)
のは、本当に珍しいことと言えます。
その過程も、森選手にとっては
成長の一歩になりました。

「元々人生でハーフマラソン自体走るつもりはなくて、大学生の時もお話はあったんですけど、長距離が得意な子に任せていたんですよね(笑)。でも、積水化学に来て2年目で『冬季練習の一環でハーフマラソン出るから』となって、出てみたら意外と走れた」

「そこからしばらく空いて、2年前に再び走り、自己記録も更新できました。今は、冬の取り組みのひとつとして、指標のような感覚で受け止めています。レースに向けて1日何キロ走るとか、意識してアップやダウンを長くすることがトラックレースにつながると、ここ数年実感できているので、プラスになっていると思います」。

「森さんが走る姿を楽しみにしています」の声

キャリアも終盤を迎え、
実は今シーズンでの引退も考えていた森選手。
しかし、それを引き止めたのは、
周囲の声と自身の決断でした。

「中学校の頃から、もし陸上を続けたとしても”30歳までは続けない”と思っていたんです。陸上だけが人生じゃないし、結婚や出産も考えたら、30歳までにやりきって、その後の人生を過ごしたいと思っていました。でも、コロナで大会の予定がずれたりして、迷っていた中、野口(英盛)監督から『もういいと思ったら言ってくれたらいいし、もう少しやりたいなら続けてもらっていい』と選択権を頂いたんです」

「せっかく駅伝で優勝できたのに、翌年走らなかった駅伝で現役を終えるのは、絶対に悔いが残ると思ったんです。走らないと決まった時にも『森さんがいない積水寂しい』とか『楽しみにしました』など、たくさんの人から反響をもらえた。『森さんが走ってる姿を見るの楽しみにしてます』と言ってもらえたのが、すごく有難かった」

「私が走ることで何か感じてくださる人たちが、こんなにたくさんいるんだと、メンバーを外れて改めて知ることができた。自分としても今は走るのが本当に楽しい。以前と比べて陸上への向き合い方も変わってきたし、求めてくださる方がいて自分にもまだ気持ちがあるなら、もうちょっと頑張ろうと思ったんです」

自分が走ることで、誰かに喜んでもらえるなら。
そういう声がある限り、自分の限界に挑戦したい。
その想いの中で、森選手はさらに強くなるために
努力を続けます。


維持するのではなく、
今より、もっと成長できるように。

「完全に悔いなく終われる競技人生って難しいと思うんですよね。実業団に入って、どこで区切りをつけるかは本当に難しいところ。ただ、これからは毎年この1年が最後だと思って、悔いがないように取り組みたいなと思っています。次はもう9年目。こんなに続ける気もなかったから自分でも本当にびっくりなんですけど、最後も笑って終わりたいなと思います」

さらに進化した自分を見せられるように
森選手はこれからも笑顔で走り続けます。



文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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