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遠くても伝わる気持ち/野口英盛監督・横田真人コーチ対談 Vol.2

2020年1月、協力しながらひとつのチームとして活動することになった、積水化学女子陸上競技部と中長距離特化型クラブチーム「TWOLAPS」。

ただ、スタートさせようとしたプロジェクトも、未曽有のコロナウイルス蔓延により、できないことが続出。それでも”一緒に練習したから満足”にならなくて良かったと、野口英盛監督と横田真人コーチは語ります。自由に行動できない中、2つのチームが構築してきた関係性とはどんなものだったのでしょうか。

◆コロナ禍で生まれたもの

Q.この1年はコロナの蔓延もあり、対面でのコミュニケーションも難しかったと思います。積水化学とTWOLAPSによる協力体制を敷くにあたり、信頼関係を構築する障壁にならなかったですか?

野口:今回のコロナで、駅伝も沿道で応援できなくなってしまいました。ただ、従業員の方からビデオレターをいただいたり、それに対して新谷や卜部も発信してくれた。今まであまり受けたことがない形の応援に感謝する二人を見て、他の選手たちも「この環境が当たり前じゃない」「感謝の気持ちを表すべきだ」と感じた部分はあると思う。

横田:卜部は感謝の気持ちがすごく強いんです。実業団チームに入ってコロナで会社にも行けてないのに、「こんなに応援してくれるんだ」と感じていたし、恩返ししたい気持ちが彼女には大きな原動力になる。その意味では、積水に入れたこと自体が、めちゃくちゃプラスだったと僕は思ってます。

◆物理的にいる、一緒に練習したから満足じゃない

Q.実際に予期せぬコロナがあったせいで、一緒に練習できなくなったり、残念な部分はあったと思いますが。

横田:逆に、それで生まれたものもあると思っていて。例えば遠くてもサポートをしっかりやろうとか、野口さんも離れていても選手たちとどうコミニケーションを取るか考えてくださった。それが逆に、良い形になったとも思っています。物理的にいるから、一緒に練習したから満足とかじゃなく、根本的な部分をどう共有するのかなど、本気で考えられたのは良かったと思いますね。

野口:うまく行っている形を崩しても意味がないからね。何がお互いのチームにとって大事なのか考えながら、取り組めたのは良かったと思う。

横田:あと、山田(TWOLAPSマネージャー)の存在もすごく大きかったと思うんです。合宿でも積水の選手たちに、一人ずつ時間作って毎日話を聞いたりしている。同じチームでも毎日一緒にいると言い辛いこととか、一緒の少し違う視点で見て、声をかけてくれる存在は大きかったと思ってます。

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野口:スタッフ間でも共有することはあるから、一歩下がったところから山田が色々話してくれると、選手も話が聞きやすいのかもしれないね。

横田:外部とのコミュニティがコロナ禍で作りづらかった中、選手同士の雰囲気もわかる山田が、サポートできた部分もあったと思います。

◆2つのコーチングで世界で戦える選手を育てたい

Q.ちょうど1年が過ぎて2年目に入りました。今後改善していきたいところはどういうところでしょう。

横田:とは言え、物理的に何かやれることはあるかなと思ってるんです。具体的なコーチングとか。ただ、“無理にでもやることが目的になるといけない”とは思ってます。

野口:この1年は手探りでやってきたから、もう1年かけてお互い良いところを伸ばしていきたいですね。希望する選手がいれば練習環境を変えたり、話を聞きに言ったり、そんな関係ができたらいいと思う。2つのコーチングで強くなるみたいな流れができると、面白いよね。

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横田:もともと別のチームですけど、これから積水化学に入る選手がTWOLAPSとどんな関係を持つのかとか、スタッフも含めて行き来が流動的になって相乗効果が出てくるといいですよね。期間を決めて練習拠点を変えるとか、逆にそう育てたいと思わせる選手を一緒に作っていかなければいけない。長い時間をかけて、新しいチームの形みたいなものを模索できればいいな、と思っています。

野口:お互いに目指すところは結構似ていて、指導しているからには強い選手を作っていきたい。中長距離の選手を育てたり、日本記録を更新したり、世界で戦っていける選手を出していきたいと、考えている。そういう選手が入ってきて、横田と私の良いところを学びながら、成長していってくれたら幸せだし、1番いいのかなと思っています。

Vol.3に続く➡


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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