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ぼくらの「アメリカ論」

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ぼくらのどこかに、いつも「アメリカ」がある。 高知、神戸、東吉野。文学者、建築家、歴史家。居住地も職業も違う3人が、互いの言葉に刺激されながら自分にとっての「アメリカ」を語る、こ…
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2023年10月の記事一覧

2 小さな跳躍を重ねて、獲得する大きな自由 光嶋裕介

私が楽観的で実利的な理由私は、オプティミスティック(楽観的)で、プラグマティック(実利的)な人間であると言われることがある。自分でもそういうところがあると思う。それは、ベーシックなところで無駄なことが嫌いで、常にハッピー(ご機嫌)であろうと心がけているということ。心がけているというのはいささか大袈裟で、日々の生活を通していつしか私の骨の髄まで染み込み、ごくごく自然とそうなったという方が正しいのかもしれない。 まずは、オプティミスティックについて。楽観的であるとは、悲観的にな

1 「生き直し」のヒントを探す旅へ 白岩英樹

リレーエッセイ、らしきものである。らしきものと付言するのは、我々がこれからどのような理路をたどり、その先にはいかなる迂回路や逸脱があるのか、はたまた邪径が待ち構えているのか、当人たちにも判然としていないからである。 ただ、バトンをまわすメンバーと編集者だけは決まっている。建築家の光嶋裕介さん、歴史学者/思想家/人文系私設図書館ルチャ・リブロの革命児こと青木真兵さん、高知県立大学でアメリカの思想や文学を講じるわたし、白岩英樹。そして、ひとり出版社・夕書房の高松夕佳さんが、我々