負けた対局の記録 #3

8/29(日) 5勝0敗 レート1339→1359
8/30(月) 2勝3敗1分 レート1359→1348

ずっと1.e4を指していたのだが、1.d4を指してみようかなと思い始めた。

というのも、この土日で観ていたFIDE Online Olympiadと映画『完全なるチェックメイト』に影響されたのだ。トッププレイヤーたちの対局は1.d4が多い。e4オープニングに比べて穏やかな局面になりやすく、実戦でストラテジーを学ぶのに良いのかもしれないと思った次第。
あとは1.e4 e5のオープニングにやや飽きてしまったというところでもある。


1敗目 QGD:Albin Counter Gambit

白番で負け。
1.d4 d5 2.c4と指すクイーンズギャンビットの形だったが、2…e5?!というアルビンカウンターギャンビットの形で返されてしまった。

画像1

黒番で一度だけこれを指したことはあるが、白でやられるとちょっと面食らってしまう。3.dxe4 と取るのがメインラインのようだが、3.cxd4?!としてしまった。cポーンでセンターポーン取れたら得じゃない?という考え方だったのだが。

以降、3…Qxd5 4.dxe5 Qxd1+ 5.Kxd1 と進んだところでキャスリングの権利を失ってしまう。クイーンがいなければ別にキャスリングできなくてもいいかなあなどと思っていたが、これが仇となって簡単に攻め込まれてしまったのだった。

その直後の局面。黒が5…f6としてきたところ。

画像2

本譜では6.Nc3としたのだが、ここではStockfishの示すとおり5.exf6 Nxf6としてポーンの交換を図るべきだったのだろう。ダプルポーンの解消とキングサイドのポーンマジョリティという2つのメリットを得ることができたのだから。


さらにその後の局面。

画像3

本譜では9.Bd2としたが、ここでは9.Bb5 としておきたかった。9.Bb5 Bd7 10.Bxc6 Bxc6 11.Nxe5として1ポーンアップになるため。
ツービショップの維持と1ポーンアップ、どちらが嬉しいかというと難しい。しかし盤上でツービショップのメリットを主張できるほどの棋力がない以上素直にマテリアルアドバンテージを確保しておくべきだった。


18.Nh4?!

画像4

これもよくない。ポーンの狙いから外しつつf5のビショップを狙うという手だった。しかし当然のようにビショップには逃げられ、さらに19…g5と突かれてしまう。多少あがいたものの結局23…gxh4とされてピースダウン。

そもそもこの局面での黒のeポーンはもともとfxe5とされてセンターにやってきたもの。5.exf6としておけばこんな事態にはならなかったし、あるいは9.Bb5から11.Nxe5とすることもできた。

この後は書く必要もないくらいコテンパンにやられた。序盤でキャスリングの権利を放棄したことが大きい。

悪手が悪手を招き、流れるように負けてしまった一局。

2敗目 French Defense: Exchange Variation

黒番で負け。
相手のレートは1463。私より100ぐらい高いし、ここで勝ったら相当レート上がるのでは?と鼻息荒くして挑んだが。

1.e4 e6 2.d4 d5 3.exd5 exd5 進むExchenge Variationの形 。

画像5

せっかくフレンチ指してるのに盤面スッキリしちゃって面白くないが、まあこっからどう指すかというところ。

その3手後の局面。

画像6

ここで5...c3と指したがやや悠長だったか。d4への守りを足すにはまだ早い。5...Bd6あるいは5..Be6として相手のビショップの展開を制限したかった。

画像7

10.Ne5と飛び込んできた局面。本譜では10...Re8。これも悪手ではないだろうが、Qb6としてピンを外しつつクイーンサイドを牽制する手が攻撃的で面白かったかもしれない。
攻め込まれているときでもカウンターを狙う姿勢。

その後の局面。

画像8

16.Qh6?? と安直に飛び込んできたクイーンを咎めようとして16...Bf8??と指してしまう。
Stockfishの示す通り、お互いにd4ポーンを守る/取るのが最善手。いつでも取れるやろと思っていたが全然そんなことない。
直前まで評価値的にも-4.7とかなり黒優勢だったが、この16手目と次の17手目、いずれもブランダーで黒敗勢となる。

画像9

最悪。クイーンをネチネチといじめるぞ~~と思っていたが故の軽率なブランダー。ここまでひどいブランダーをすると当時の心情を鮮明に思い出せる。指した直後に血の気が引いたのを覚えている。

その後当然ビショップが落ちるが、ポーン数でまだ粘れるかなという局面…...のはずだった。

画像10

20.Qe3に対して軽率に20...Re8?!と指してしまう。
これによって21.Qxa7とされてポーンが落ち、しかも21...Qxa2とできなくなってしまった。
当然ながら最善手は20...Qxa2。1ピースダウンだがポーンが3つ多い局面となり、うまくエンドゲームに持ち込めば逆転もあり得たのだが……。

その後もブランダーでクイーンが落ちたりとめちゃくちゃ。劣勢でも冷静に


3敗目 Sicilian Defense: French Variation

白番で負け。

画像11

1.e4 c5 2.Nf3 に対して2...e6と返してくるFrench Variationの形。

その後、5...d5?と黒が指してきたところ(おそらく通常のオープンシシリアンに持ち込みたかったのであろう)。

画像12

本譜では6.Be3?!と駒展開を優先してしまったのだが、ここは素直に6.exd5としたかったところ。6...exd5と続けば黒には孤立ポーンが残るうえ白はビショップとクイーンの効きがグッとよくなる。手番もこちらにあるのでBe3としてナイトを守ってもよし、はたまたBb5としてピンしてもよし。この局面を持ちたかった。

ポーンがぶつかったときには、
 ・取って取り返されたときの局面
 ・取られて取り返したときの局面
をよく考えて指したいもの。もちろん[相手が取り返してこない/こちらが取り返さない]可能性も十分に考慮する必要があるのだが。 

結局8.exd5 cxd5となってこの局面に。

画像13

取り返されたときにはこのありさま。相手のcポーンで取り返されたこともあり黒にセンターを制圧されてしまった。ポーンがf3の位置にいることから分かるとおりe4ポーンを守ろうとしていたのだが、これではキングサイドキャスリングをした後に黒のc8ショップに標的にされてしまうこと間違いなし。
(ちなみにこの黒のdポーンは居残り続け、最後にはパスポーンになってプロモーションしてしまった)


その後、11.Ne4 Be7としてお互いにナイトがぶつかった形。

画像14

ここも駒展開を優先して12.Bc4??と指す。しかし仮に12...Nxe4と取られたら、(他の手を挟んだうえで)結局fxe4と取り返すことになり白はセンターに孤立ポーンが残るはめに。
ただ、オープンになったfファイルはキャスリング後にすぐルークで制圧できるしそんなに悪くなかったかもしれん。

あ、分かった。12.Nxf6+と強制手を打ち、その後もBf6やBb5+といった強制手の可能性を残すことでイニシアチブを取りながら駒を展開し、そのうえで悠々とキャスリングできるというプランであれば納得がいく。

この後も悪手を重ねたのだが、疲れてきたのでこのへんで。


まとめ

・相手のピースの展開を制限する
・攻め込まれているときでもカウンターを狙う
・劣勢でも冷静に
・取って取り返されたときの局面を検討する。取られて取り返す場合もしかり。
・イニシアチブを取りながら駒を展開するというプラン。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?