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聖フランシスコと味わう主日のみことば

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聖書のみ言葉やイエスの姿を読み解くヒントを、聖フランシスコの霊性を心に留めながら、コンベンツアル修道会の神学生とともにさぐっていきましょう。
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2021年7月の記事一覧

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第16主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第16主日〉

イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた(マルコ6・34)

自分とは違う他者を理解し、その人の苦しみや痛みに寄り添おうとするとき、わたしたちは往々にして、自分自身の限界に突き当たります。どれほど、相手を受け入れよう、相手の力になろうとしても、その思いだけではうまくいかないことが度々です。自分も同じように痛み、傷ついているので、それ

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聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第15主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第15主日〉

イエスは、12人を呼び寄せ、二人ずつ組にして遣わすことにされた(マルコ6・7)


「キリスト者とは何者か」と問うとしたら、その答えは「イエス・キリストによって選ばれ、そのキリストを宣べ伝えるために、この世界に派遣されている者」だと言うことが出来るでしょう。今日の第一朗読の『アモスの預言』では、旧約時代のアモスという一人の人物が、神の言葉をイスラエルの民に語るように神から選ばれたと告白する場面が

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聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第14主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第14主日〉

イエスは、「預言者が敬われないのは、自分の故郷、親戚や家族の間だけである」と言われた(マルコ6・4)。


イエスと弟子たちの一行は、イエスの慣れ親しんだ〈故郷〉である、ナザレにやってきました。〈故郷〉とは、家族や親戚をはじめとして、大人に成長していく段階で、自分自身の人格形成に深く関わった、ありとあらゆる機会や経験が詰まった、わたしたちの〈アイデンティティー〉が育まれた場所です。人間イエスにと

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