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モネ-光の中に

モネ-光のなかに 会場構成:中山英之

画家自身が見ていた環境を目指した作品。
「天井を曇り空にする。絵に光を直接当てない」ことをコンセプトにしている。そのため天井を撮影スタジオで使われているホリゾントと同じような状態にし、遮光率100% の天幕を貼っている。アッパーで天井を照らしている照明の存在感を消すために展示の壁の上に仕込んでいる。緑の裏側が見えているのは作品を保護するガラスに天井からの光が反射しないようにするため。また壁の裏側に濃い色を選んで、ガラスになるべく正対させることで、天井からの反射を打ち消すようになっている。カーブした壁にはもうひとつの狙いがあり、空間の流れの連続性が切れないようになっている。またその連続した空間が素材同士の継ぎ目で切れないように、トタンを用いることで気にならないようにしている。ありふれた風景色の、チープな小屋を作るような外装材で作ることで、なんでもない風景を描いていたモネと調和している。
https://architecturephoto.net/116969/
https://artexhibition.jp/topics/news/20210604-AEJ431482/


実際に行ってみると、写真よりも暗く、本当に曇り空の下にいるような印象を受ける。一つ一つが丁寧に考えられていてかつコンセプトからそのまま形になっているわかりやすさが家具的で明解だなと思う。学生の頃は常に難しく、抽象的に考えてきたが、実務になるとこれぐらいコンセプトに軸にしたシンプルな説明が求められる。改めて作品としても、コンセプトととしてもこれぐらいシンプルに良い作品を目指していきたい。

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