【失敗してからが地域づくりの始まり】
インターネットやSNSで、町が元気になっていく情報が全国から入ってくる。その様子は写真や動画でリアルタイムで紹介される。盛り上がってきた様子が伝わる。
しかし、その情報を見ていると、全国似たようなシーン、キーワード、感想、空間が並び、違和感を持ってしまう。
実際に現地を見て、住民に話を伺うと、伝わる情報とのギャップがある。そして、2年後、3年後の経過及び結果は伝わってこない。
これまで地域づくりは、住民が自分の地域に真剣に向き合い、ビジョンを持ち、資源を耕し、続けていく地道な活動であった。今のように告知手段もなく、知る人ぞ知る企画が大半であった。が、それが吉となり、独自色が生まれ、続けるための知恵を出しながら変化を加えていった。いわゆるオリジナルである。
もちろん、旧来の進め方をすることは今の時代にはスピード感が合わず、そのままは難しい。
大切なことは、熟考し、少しずつ行いながら自ら手応えを感じることである。見栄えのいいように画像を演出し、キャッチが上手くなることがゴールではない。
地域創生が叫ばれ、キックオフは大きく告知されても、突然に活動情報は途絶え、フェードアウトする企画が多くなってきた。
2-3年で消えるのではなく、失敗しても試行錯誤を繰り返しながら続けている状況を伝えることが大切である。
地域づくり、まちづくりはケの日々の中に本質があり、まずは立ち止まって考え、少し走ってみて、また立ち止まり考えること。トレンド的なアイデアに流されないことである。
また、その地域で長く生業を営まれている人がいない企ては文化にならない。一緒に考えることで骨太の地域づくりができる。地域は一日にして成らず。