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組織を侮るなかれ。【キーエンス解剖 最強企業のメカニズム】


キーエンス解剖 最強企業のメカニズム/西岡杏

私の住んでいる千葉県はサッカーが盛んな県であり、中学生年代のクラブチームが数多くあります。そこに所属する技術が高い選手たちはみな高校の進路に悩みます。

県内外の超強豪校へ進学する子やJリーグのユースに通う子もいますがそれは稀です。ほとんどの子が地元の高校に進学します。


私の通っていた高校は偏差値60台の「自称」進学校でした。そんな高校のサッカー部にはクラブチーム出身者が入部することは珍しく、ほとんどが部活動出身者です。

一方で隣町の高校は平均的な学力であること、立地の良さなどが要因となり、クラブチーム出身者が多く入部し、部員の半数を占めていました。


その高校とは学校同士が近いこともあり、練習試合をすることが多々あります。入部したばかりの1年生同士で試合をすると案の定、私の高校が大敗します。

クラブチームvs中学校が戦っているようなものです。そんなボロ負けの瀕死寸前の状態から私の高校サッカーがスタートしました。


顧問の先生は入部してくる生徒がみな能力が低いことを分かっているのか、練習はいたってシンプル。小学生でも良くやる対面パスを毎日鬼のように行います。

それが終わったら「鳥かご」と言われる基本的なパスゲームを永遠と繰り返します。練習終盤のミニゲームでは組織的な守備・攻撃の立ち位置・やり方を叩き込まれます。地味で面白味のない練習をひたすらやり続ける日々です。


基礎を重視し、個人よりも組織力を上げることに重きを置いた練習を続けて1年間・・・。2年生になります。進級した直後の4月に隣の高校と再度練習試合をすることになりました。負けを覚悟していた私たちでしたが、結果は想像とは裏腹に引き分け。

そして月日は流れ3年生になります。毎年恒例の4月の練習試合では2年前には想像できない戦いぶりを見せて勝利を収めます。そして最後の大会前には大差で勝利できるまでになりました。


キーエンスという会社は能力が高い社員が多いイメージがあるがそれは間違い。徹底した組織力で社員を超一流に作り上げるのがキーエンス。そこに属していなかったらパッとしなかった社員は多いのではないでしょうか。

緻密な組織は個人の能力を大きく伸ばし、最大限の力を引き出す。個人が重要視される昨今ですが、組織を侮るなかれですな。


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