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「野の百合はいかにして育つか」聖書:マタイによる福音書6:28−31


今日は花の日です。教会の庭にも、季節ごとにいろんな花が咲きます。春先にピンクの色のあんずの花が咲きました。4月にはタンポポなど春の花が咲き、今は黄色のゆりやアジサイも咲いています。


「どんなにちいさいことりでも」というこども賛美歌です。

今日は「マタイによる福音書」の山上の説教という箇所から「空の鳥を見なさい」「野の花を見なさい」というイエスキリストの言葉に注目して「空の鳥を養い、野に咲く花も装ってくださる神様は、まして私たち生活を守ってくださる」ことをみていきます。

1.心配無用


野の百合はいかにして育つか」ということばは山上の説教という箇所にあります。イエス様が弟子たちや何千人の人と山の上に登り、そこに座ってお話をされた場面です。場所は、イスラエルのガリラヤ湖の湖畔です。私も10年以上前にガリラヤ湖畔に行きましたが、花が咲き誇っていて、自然が豊かな場所でした。
想像してみてください。イエス様がこのお話をした2000年前もガリラヤ湖畔には花や鳥がたくさんいたことと思います。イエス様とお弟子さんたちが山を歩く時に、足元にはキレイなお花が咲いています。空には鳥が飛び、鳴き声が聞こえます。そんな環境で、イエス様はすぐ身近にある、空の鳥や野の花を例に、真理を説いたのです。

先程朗読された聖書を明治大正時代に翻訳された昔の翻訳の聖書をご紹介します。


「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい」は「野の百合は如何にして育つかを思へ」と文語訳聖書では訳されています。このことばの響きを味わっていると「むくわれない、運が悪い。 そんなふうに嘆かずに 野の百合のように 目立たないけど しっかりと根をはって 生きなさい」そんなイエス様の励ましの意図を私は感じます。

「野の花を見よ」という言葉でイエス様は弟子たちに対して「自分の将来を心配するのではなく、神の国とその義を最優先に求めなさい」と伝えました。主イエスは「野の花が自分自身の力で生育や美しさを生み出すことはなく、それは全て神の恵みによるものである」「私たち人間の生活も自分自身の力で人生をコントロールすることはできず神の恵みによって維持されている」と説きました。


2.キリストの香りを放つ

「ブラザーサン、シスター・ムーン」という映画を聴いたことありますか。フランシスコは、造られたすべてのものを兄弟姉妹と呼びました。「太陽は兄弟、月は姉妹」と言い、そこから「ブラザーサン、シスター・ムーン」映画のタイトルができました。野の小鳥も動物も魚も美しい自然も、そして人間も兄弟なのです。アッシジのフランシスコは、森に隠遁して暮らし、動植物、そして太陽、月や水といった自然そのものと、深く心を通わせて暮らしました。
アッシジのフランシスコが説教を始めると、鳥たちが舞い降りてフランシスコの教えに聞き入っていたといいます。「空の鳥を見なさい、野の花を見なさい」というキリストのことばで思い出すのが、アッシジのフランシスを思い出します。



先ほど共に歌った讃美歌171番「かみさまのあいは」は当初は日本のカトリック教会の「典礼聖歌」に収録されていたものです。作詞・作曲は佐々間彪(ささ たけし)は神父です。「こどものころ、縁側に干した布団の上で猫と一緒にひなたぼっこをしていると、太陽の光と暖かさが身にしみるようで、うとうとしてしまいました。 この歌は、このような幼児体験をもとにつくりました」と佐々先生は書いています。



交読詩編に「日よ、月よ。主を讃美せよ。輝く星よ主を讃美せよ」とあります。神様に創造された山も海も川も空も、鳥も、すべての被造物が神様を讃美している、ということです。今日の花の日礼拝で礼拝堂に飾られているお花も神様を讃美しているのではないでしょうか。


この説教の直前に歌った「ちいさなかごに」という讃美歌は、平和の祈りと想いが似ていると思います。


小さな事、ちょっとしたことでもいいから何か新しいことや親切なことをして、昨日とは少し違った自分になってみれたら自分が変われたら素敵です。

3.世界に一つだけの花

世界に一つだけの花という曲にはこんな歌詞がありました。

そうさ 僕らも世界に一つだけの花一人一人違う種を持つその花を咲かせることだけに一生懸命になればいい。小さい花に大きな花、一つとして同じものはないからナンバーワンにならなくてもいいもともと特別なオンリーワン

私たちもお花のように、太陽を受け、恵みの雨を受け、神の風に息吹かれながら自分なりにせいいっぱい生きていけたらと思います。



祈り


天の父なる神様。今日の礼拝を感謝します。神様は空の鳥も養い、野の花も装ってくださる方です。まして私たちの必要をすべて知っておられる方です。だから私たちが思い煩うことなく大いなる方を信頼して委ねて、今日一日、全力で生きていくことができますように。言い尽くせない感謝を私達の主イエス・キリストのお名前でお祈りします。アーメン。


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週刊聖書|関 智征
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