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通訳で困ること、通訳あるある

通訳ならきっと経験あるだろうなぁと思う事。

1、配属先の職場が決まらない
2、資料をなかなかもらえない
3、通訳しにくい話しかたをされる
4、他の通訳と使う語彙が違う
5、休憩中や飲み会でも通訳になってしまう

1は、たとえば大手企業の工場通訳に行くと起こるのですが、本社工場、A工場、B工場とあったら、配属先が直前までわからないことがあります。他の通訳、研修生のばらつきや様子によっても違うのでしょうが、私が思うに現場チームと人事でのすれ違いがあるのかなぁと思ってます。

これで困るのは、宿泊先や通勤手段を決められない、事前勉強が一切できないなどでしょうか。

2は、企業秘密や社外秘の問題もあるので、一概に困る!とは責められないのですが、1と同じで早く教えていただかないと下準備が全くできないということです。

通訳だからと言って、製造から法律からスポーツのルールから、何でもすべて知っているわけではないのです…。

3はホントに困るなぁと思います。
例えば、1つの文章というのか、書いてあるものであれば、読点までは続けてほしいのに、途中の点(句点とかとにかく切りやすいところ)で一度止めてしまう方がおられるのですが、そうなると動詞をまだ聞いてないので、ぶつ切りすぎて、どうにも訳しにくいんです。

あと、通訳が言った後に、また同じことや似たようなことを繰り返す方も困ってしまいます。あまりその回数が多いと、「先いったのと同じ」と言ってしまいます。ちょっと間が空くからなのか、直前とほぼ同じことを言う方が結構おられるのです。ここは、言葉を変えて通訳し、うまく乗り切ってしまうことが多いです。

さらに、代名詞が多く、さらに自分で言って自己完結してしまう方。

これはそうだなぁ、多分そうだと思ってたんだけど、でもあれだなぁ、何て言ったらいいんかなぁ

これはそれなりに長いフレーズなので、聞いてる外国人も、通訳が何か言わないと不信感を抱いてしまう。結構あるんです。

さらに、今言ったことをすぐに否定して自己完結する方もホントに困る…。

(説明を散々続け、その直後独り言のように)
あー、でもこれは違うなぁ、ちょっと、あれ、こっちだったかな、まぁどっちでもいいか

こういう方、結構おられるんですよ。

あまり酷いと、ちょっと待ってから訳したりもしますが、基本的に待たせるのも良くない、かと言って散々言った後に「違った」と言うのもおかしい。

まぁ、本当によくあることです。イヤですが…。

4も時折ありますね。
例えば相手先から語彙集をもらうと、専門的なことはいいのですが、普段使う言葉が通訳どうしで全然違ったりする。同じ文書を翻訳しても、相手の出来上がった翻訳を見ると「違う!でも間違いじゃない!」ということがあります。気がついたら途中で自分から合わせることもありますが、これが外国人通訳だとホントにストレスなんです。特にN1(日本語能力試験でかなり難しい)合格している人ほどプライドが高く、そういう打ち合わせにも乗ってこない。まぁ人にも寄りますが、この観点からすると私は「スペイン人が大嫌い」です。ホントに協調性がない。

最後、これもよくある。
基本的に通訳が業務中だけの役割で、プライベートでは基本的にお付き合いしないものなんです。もしプライベートの付き合いの時に何かが起こったり、喧嘩をしたりしたら仕事にも影響がありますよね。ですから、例えば有名スポーツ選手の通訳をするにせよ、プライベートは基本的に一緒に何かしたりどこかへ行くことはあまりないんです。仕事が終わった後は遊びに行ったりしますけどね。

大手企業さんだとその辺も分かってて、ランチや職場の飲み会には通訳を誘いません。せっかくの食事やお酒の席で、結局そこの人たちの通訳をしなきゃいけないですよね。企業によってはそこにも給料をつけてくれることもあるほどです。

なので、中小企業や家族経営の会社などは、そういう境目がないことが多くて、受ける時に正直躊躇います。

そういったことの名残りかもしれませんが、食事は誰よりも遅く食べ始めても、誰より先に終わります。

そんなこんなで、通訳をしているとなんだかなぁ…と思うこともホントに多いのです。

さぁ、休憩も終わりで仕事に戻ります。