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【NÓMADO】 ④ ケレタロのあらまし

2024年、メキシコでの仕事でケレタロという街に滞在していました。
ケレタロというプロレスラーが以前日本にいましたが、その人ではありません。
ケレタロはメキシコシティから車で約3時間ほど北西に行ったケレタロ州の首都で、正式名はサンティアゴ・デ・ケレタロ市といいます。人口は約70万人。日本で言えば静岡市と同じくらいの人口です。
メキシコといえば、マヤ文明やアステカ帝国の遺跡が観光などの筆頭に挙げられますが、一方でスペイン人が新大陸へやってきて以来の植民都市としての遺産も数多く残されています。

1531年に建設されたケレタロの街は、歴史と文化が豊かな街であり、国内外の観光客に人気のある場所です。その歴史地区は、コロニアル風の建築がきれいに保存されており、歴史的な重要性から1996年にユネスコの世界遺産に指定されました。

世界遺産名でいう「ケレタロの歴史的建造物地区」は、石畳の通り、優雅な広場、そして前述したコロニアル風の建物で有名です。特に注目すべきは、74のアーチが今もなお残る壮大な送水橋と、バロック建築が特徴的なサンタ・ロサ・デ・ビテルボ教会です。教会はかなりの数があり、1区画ごとに何かしら教会がありました。また、ケレタロには地域の歴史と文化を深く知ることができるケレタロ市博物館などの多くの博物館があります。私がいた2024年(今年)は多くの博物館が無料開放されていたので、遠慮なくいろいろな博物館を拝見できました。

ケレタロは、メキシコの歴史において重要な役割を果たしてきました。1810年にミゲル・イダルゴやドーニャ・ホセファ・オルティス・デ・ドミンゲスなどの人物によって計画された独立戦争の陰謀がここで練られたと言われています。さらに、メキシコ革命や改革戦争でも、重要な出来事の舞台となりました。

歴史的な豊かさだけでなく、ケレタロは現代的で繁栄している都市でもあります。製造業、技術、観光業など多様な経済が発展しており、近年急速な成長を遂げ、さらに、毎年開催されるフェスティバルやコンサート、芸術イベントなど、活気ある文化生活でも知られています。

総じて、ケレタロは深い歴史的遺産と現代的なダイナミズムを融合させ、訪れる人々にユニークな体験を提供する都市です。