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"今"と"過去"をつなぐ世界史のまとめ

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#エッセイ

【はじめに】ニッポンの世界史:日本人にとって世界史とはなにか?

2010年代の世界史ブーム—疫病・戦争・生成AI  まもなく22世紀を迎える2100年の人々が21世紀初頭の世界をふりかえったとしよう。そこではどのような出来事がとりあげられるだろう?  「まもなく終わる21世紀」の幕開けにふさわしい出来事として選ばれるのは、いったい何になるのだろうか?  疫病の流行、大国による戦争、それとも生成AIに代表されるイノベーションか。あるいは気候変動、難民危機、持続可能な開発目標、新興国の台頭、あるいは権威主義やポピュリズムの拡大か—。  こう

アショーカ王の亡霊 "今"と"過去"をつなぐ世界史(7) 前400年〜前200年

インドの国会議事堂で、何が起きているのか?  今年2023年、インドの国会議事堂「サンサド・バヴァン」が改修された。そこで物議を醸したのが、モディ首相のお披露目した、ある壁画である。 壁画の名は「アカンド・バーラト」、英語ではUnbroken India、「分裂されていないインド」である(★1)。  モディ首相はBJP(インド人民党)出身で、ヒンドゥー教中心のインドを建設することに熱心だ。イスラーム教徒とイギリスの侵入する前のインドこそ、本当のインドである、というのが基

東と西のあいだ “今”と“過去”をつなぐ世界史のまとめ⑥ 前800年〜前600年

前800年頃、ギリシア各地にポリスとよばれる都市国家が誕生した。約400年つづいた混乱時代がおさまり、英雄をたたえる聖域が築かれ、都市にあつまって暮らす人々が増えたのだ。 ギリシアは、現代のヨーロッパ文明にとってのルーツである。ヨーロッパの民主主義や文化の源流はギリシアにある。その思いは、近代以降、ヨーロッパ諸国がいかに自国の国威発揚のために建設した博物館や美術館に、無数のギリシア文化のコレクションが所蔵されていることからも明らかだ。 かつて、当時のギリシアの人々は黒人だ

真空地帯のイメージ “今”と“過去”をつなぐ世界史のまとめ⑤ 前1200年〜前800年

“過去”と比べて“今” の世界ですっかり存在感の薄れてしまった人々がいる。それは騎馬遊牧民だ。馬にまたがり、草原を疾駆する。簡単なようで難しい技術である。騎馬技術を編み出した遊牧民が、すでに北緯30度付近で発達していた文明と双璧をなしていく。その黎明期にあたるのが、今回の前1200〜前800年の時代である。 File:20110812 Nomad Horse Racing Zhanzong Tibet China 3.jpg その場所はユーラシア大陸の乾燥草原地帯(乾燥草

気候変動リスクと現代の「帝国」 “今”と“過去”をつなぐ世界史のまとめ④ 前2000年〜前1200年

僕らは今、なぜこのような世界を生きているのだろう。 ばらばらになったり、まとまったりしながらも、とりあえず仕方がない、というように動き続けているわれわれの社会は、どのようにして今ある形になったのだろう。 ひとつの確固たる世界があるようでいて、そういうわけでもなく、区切られているようでいて、そういうわけでもない、あいまいなまま、はっきりとしないまま漂うこの世界は、一体どこに向かっているのだろうか。 "今"と"過去"をつなぎながら、世界史を、ゆるく、なんとなく、まとめていく

人間の世界 生物の世界 地球の世界   "今"と"過去"をつなぐ世界史のまとめ 第1回

僕らは今、なぜこのような世界を生きているのだろう。 ばらばらになったり、まとまったりしながらも、とりあえず仕方がない、というように動き続けているわれわれの社会は、どのようにして今ある形になったのだろう。 一個の確固たる世界があるようでいて、そういうわけでもなく、区切られているようでいて、そういうわけでもない、あいまいなまま、はっきりとしないまま漂うこの世界は、一体どこに向かっているのだろうか。 "今"と"過去"をつなぎながら、世界史を、ゆるく、なんとなく、まとめていきま

【全文無料】総目次 世界史/日本史のまとめ

基本コンセプト  昔と今を、今と未来をつなぐ。  世界の中の日本、日本の中の世界をつなぐ。  世界史を26ピースに「輪切り」にし、 深く、たのしく、わかりやすく”翻訳”する。 コンテンツの一覧【1】ゼロからはじめる世界史のまとめ(世界史×ゼロから) 【2】同時に学ぶ! 世界史と地理(世界史×地理) 【3】世界史のまとめ × SDGs(世界史×未来) 【4】"世界史のなかの" 日本史のまとめ(世界史×日本史) 【5】世界史の教科書を最初から最後まで(世